工務店紹介のFPとの1回目の面談で、「借りられる額」と「返せる額」の違いに気づきました。今回はFP面談の2回目。総予算9,000万円という数字と向き合います。
2回目の面談——前回のシミュレーションを踏まえて
前回のFP面談から約2週間後、2回目の面談を迎えました。前回はヒアリングとシミュレーションの初回提示で終わりましたが、今回はそのシミュレーションを元に、より現実的な数字の詰めをしていく回です。
夫は面談前日の夜、前回のシミュレーション資料をテーブルに広げて、「ここの前提条件、もう一回確認したいんだよな」と言いながらメモを書いていました。相変わらずです。
総予算9,000万円という数字
FPが提示してくれた「無理なく返せる範囲」での総予算は、土地+建物+諸費用すべて含めて約9,000万円でした。
9,000万円という数字を聞いた瞬間、正直「そんなにかけるの?」という気持ちと、「都市部で土地から建てるなら、そうなるよね」という気持ちが同時に湧きました。
土地代が大きい。都市部で4人家族が暮らせる広さの土地を確保しようとすると、土地だけで数千万円。建物が3,500万〜4,500万円としても、合計は簡単に8,000万円を超えます。諸費用や外構を入れれば9,000万円は、決して「贅沢な家」の数字ではなく、「普通に暮らせる家を都市部に建てるために必要な金額」でした。
NISAと住宅ローンの両立——数十年止めるという現実
面談の中で、FPが「住宅ローンを組むと、NISAへの積立を一時的に減らすか止める必要が出てくるかもしれません」と言いました。
夫の顔色が変わりました。我が家は夫婦でNISAの積立を続けていて、夫にとってそれは「老後の生活基盤」のひとつ。住宅ローンの返済が始まると、その積立を数十年間減額、あるいは停止する可能性がある——。
「家を建てるために、老後の備えを止める」。言葉にすると重い選択です。もちろん、住宅ローン完済後に積立を再開する計画は立てられますが、「複利の効果が最も大きい期間を失う」という事実は変わりません。
夫がFPに「NISAを止めずに返済を維持できるプランは作れますか」と聞くと、FPは「返済額を下げるか、物件の総予算を下げるか、どちらかが必要です」と答えました。
固定金利と変動金利——夫が黙った
金利の話も出ました。FPは固定金利と変動金利の両方でシミュレーションを見せてくれましたが、その差は数百万円単位でした。
変動金利は現時点では低いものの、将来の金利上昇リスクがある。固定金利は安心だが、月々の返済額が上がる。
夫は「変動で借りて、金利が上がったら繰上返済で対応するのはどうですか」と聞いていました。FPが「それも一つの戦略ですが、金利上昇時に繰上返済できる余力が本当にあるかどうかが重要です」と返すと、夫は腕を組んで黙りました。
自営業家庭のリアル——安定しない収入で35年ローンを組む怖さ
我が家は夫が自営業です。収入に波があることは、本人が一番よくわかっています。
FPが「自営業の場合、銀行の審査では直近3年の確定申告書を見ます。安定した収入があることを示す必要があります」と説明してくれました。夫はここで「3年分の数字は出せますが、10年後の数字は誰にも約束できない」と正直に言いました。
その言葉に、部屋が少し静かになりました。FPも担当者も、すぐには言葉を返さなかった。
35年のローンを組むということは、35年間返し続けるということ。その間に何があるかわからない。サラリーマンであっても不確実性はありますが、自営業はそれがより直接的に生活に跳ね返ってくる。「それでも家を建てるのか」という問いが、面談室の空気の中に漂っていた気がします。
面談後——夫婦で静かに話した
帰りの車で、夫が「怖いな」と言いました。珍しい言葉でした。
「怖いけど、数字を見た上で怖いのと、見ないで怖いのは違う」とも。それは、FP面談を2回受けたからこそ言える言葉だと思いました。
私も同じ気持ちでした。9,000万円という数字は確かに大きい。でも、根拠のない「大丈夫」よりも、数字に裏打ちされた「厳しいけど見えている」のほうが、よっぽど安心できる。
FP面談は、家の夢を膨らませる場ではありませんでした。むしろ現実と向き合わされる場でした。でも、向き合ったからこそ、次に進む足場ができた気がしています。
まとめ
- 総予算9,000万円は「贅沢」ではなく、都市部で土地から建てる場合の現実的な数字
- 住宅ローンを組むと、NISAの積立を数十年止める可能性がある
- 固定金利と変動金利の差は数百万円単位。「変動で借りて繰上返済」も余力がなければリスク
- 自営業で35年ローンを組む怖さに、正面から向き合った
- 「数字を見た上で怖い」のと「見ないで怖い」のは違う
次回は、住宅ローンの事前審査について書きます。地銀での融資相談の実体験をお伝えします。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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