自営業・40代・審査結果と、土地探しへの一歩
「1億円、返済できるのかな」と夫がつぶやいた融資面談から約1週間後、事前審査の結果が届きました。
- 住宅ローン事前審査の結果が届くまでの1週間と5日間の話
- 審査通知の内容(承認金額・借入期間・金利目安・保証料)の読み方
- 保証料「一括払い」と「上乗せ金利」、どちらがいいのか問題
- ガン団信なし・フルローン・30年超——夫と妻それぞれの受け取り方
📖 前回のあらすじ
地銀で住宅ローンの融資相談をした第8話。ガン団信の年齢制限、つなぎ融資の仕組み、そして「もう少し借りられますよ」の一言で予算が1億円に動いた日のこと。今回は、その事前審査の結果を待つ1週間の話です。
画面に夫の名前が出た瞬間、なんとなくわかりました。
仕事中にこの時間帯で電話してくることは、まずありません。「結果が来たんだ」と思いながら出ると、夫の声は妙に落ち着いていました。「銀行からメール来た。通った」と。
「よかったね」と返したら、夫は「うん」とだけ言いました。いつもなら結果を見た瞬間に金利や次の段取りの話を始める人が、この夜ばかりは何も言わずに、缶ビールを静かに開けていました。調べ続けた時間の分だけ、少しだけ肩の力が抜けているように見えました。
あっさりとした報告でした。でも、電話口でそれを聞いたとき、自分でも驚くくらい、ほっとしました。
「よっぽど大丈夫だと思いますよ」と言われていたのに
地銀の担当者と別れるとき、「よっぽど大丈夫だと思いますよ」と言われていました。自営業の夫が1億円規模のローンを申し込むというのは、正直どうなるかわからない部分がありました。担当者の言葉は、少し肩の力を抜いてくれるものでした。
「1週間ほどお待ちください」という話だったので、最初の数日はそれほど気にしていませんでした。でも、1週間が過ぎても連絡がなかった。
「もう問い合わせてみてもいいんじゃ」と思い始めた私をよそに、夫は「もう少し待とう」と。急かして印象を悪くしたくない、この人らしい慎重さでした。10日目の朝、「今日こそ電話してみたら?」と言ったら、夫は「あと2日だけ待って」と言いました。「2日って何の根拠?」と聞いたら、「……勘」。断熱材のことは数値で語るくせに、こういうときは勘なんだ、と思いました。
💡 事前審査の結果待ち期間に考えたこと 審査結果を待つ1週間、特別なことはしていませんでした。ただ、結果が出てから「これ、先にやっておけばよかった」と気づいたことがいくつかありました。固定か変動か——金利の選択肢を調べておくこと。土地の条件を夫婦でもう一度すり合わせること。見学してきたエリアの相場観を改めて確認すること。「審査が通ってから考えよう」と先送りにしていたことが、実は並行して進められたものばかりでした。審査の結果を待つ時間は、次の判断の準備に充てると有効に使えると思います。
1週間と5日目に、メールが届きました。
届いた通知の内容
夫から転送されてきたメールを読みました。事前審査の結果通知でした。要点をまとめると、こういう内容でした。
| 承認金額 | 1億円(フルローン) |
| 内訳 | 土地代+建物代+諸費用の合計 |
| 借入期間 | 30年超(完済時年齢は70代後半) |
| 団信 | 一般団信 |
| 金利目安(変動①) | 1.150% 保証料一括払い |
| 金利目安(変動②) | 1.230% 保証料上乗せ(手数料なし) |
保証料——「一括」と「上乗せ」、どちらがいいのか
通知の中で、保証料について2つの選択肢が示されていました。
一つは、借入時に保証料をまとめて一括払いするもの。金利は低い分、最初にまとまった費用がかかります。もう一つは、保証料を金利に上乗せする形で、毎月の返済に含めていくもの。初期費用はかからない代わりに、金利が少し高くなります。
一括払いの場合、保証料の金額が相当な額になります。「結構高いな」と思いました。
どちらが得かは、借入期間や繰り上げ返済をするかどうかによって変わるとのこと。一括払いの方が総支払額は抑えられることが多いけれど、手元の資金をその分使うことになる。上乗せの方が手元にお金は残るけれど、長期的には総額が増える可能性がある——。
夫に「どっちにするの」と聞いたら、「もう少し考える」と言っていました。夫がざっくり計算してみると、一括払いで支払うよりも、上乗せ金利で支払ったほうが得なようです。ただし今後の金利変動もあるため、この段階では最終的な結論は出ませんでした。もう少し情報を集めてから判断するつもりです。
| 方式 | 特徴 |
|---|---|
| 一括払い | 借入時に保証料をまとめて支払う。金利は低め。繰り上げ返済した場合は保証料の一部が戻ることも |
| 金利上乗せ | 保証料を金利に上乗せして毎月支払う。初期費用が抑えられる。ただし総支払額は増えることが多い |
ガン団信がない——他の銀行も当たってみようと思ったこと
今回の事前審査で通過したのは、一般団信のみです。前回の記事でも触れましたが、この地銀ではガン団信は40歳以上が対象外でした。
ガン団信とは、がんと診断された場合に残りのローン残高が保険でカバーされる特約です。40代でこれがつかないのは、少し心もとない気持ちがありました。
工務店の担当者に「他の金融機関でも事前審査を申し込んでもいいですか」と確認すると、「まったく問題ありません」とのことでした。紹介を受けた銀行に義理立てする必要はなく、並行して比較検討して構わない、ということです。
ただ、ネットで他の銀行の住宅ローンを調べてみると、これが思った以上に複雑でした。金利の数字は出てきても、団信の条件、保証料の有無、自営業者への対応——条件が銀行ごとに違いすぎて、画面の前で「結局どこがいいんだろう」となってしまいました。時間を見つけて、実際に別の銀行にも足を運んでみようと思っています。
実際に動けたかどうかは、また別の記事で書く予定です。「並行して検討していい」と工務店の担当者にも確認済みなので、ひとまず動ける状況であることはわかっています。
フルローンについて、夫の考えと私の不安
事前審査の通知を受けて、夫はこんなことを言いました。
「金利が多少上がってきたとしても、今まで積み立ててきた投資信託の利回りの方が高い。だから、投資信託は売らずにフルローンでいきたい」と。
「でも、投資信託って下がることもあるじゃない」と言うと、夫は「長期で見れば大丈夫」と返してきました。「長期って、何十年後の話?」と聞いたら、「だからローンを返し終わる頃には……」と続けていましたが、私はそこで少し黙りました。
言っていることの意味はわかります。住宅ローンの金利よりも投資信託の期待利回りの方が高ければ、手元の資産を崩して頭金に充てるより、ローンを最大限に使って資産を運用し続けた方が、理論上は有利になる場合があります。夫が言いたいのはそういうことです。
でも、私には不安があります。
投資信託の利回りは、あくまでも「期待値」です。上がることも下がることもある。一方、住宅ローンの返済は毎月確実にやってきます。「理論上は有利」と「実際に安心して暮らせる」は、必ずしも同じではない気がしていて、そこがずっとひっかかっています。
夫を信頼していないわけではありません。ただ、何十年もかけて返し続けるお金の話を「利回りの計算」だけで割り切れるほど、私はまだ整理できていないのかもしれません。この点は、もう少し夫婦で話し合えたらと思っています。
それでも、通過したことはよかった
いろいろと書きましたが、事前審査に通過したことは、素直によかったと思っています。
自営業で、40代で、1億円規模の借入。「大丈夫だと思いますよ」と言われてはいたけれど、やはりどこかに「もし通らなかったら」という気持ちがありました。通過したことで、「進んでいいんだ」という地に足のついた感覚が、ようやく生まれました。
保証料の選択も、ガン団信の問題も、フルローンへの不安も、全部これからの話です。でも、スタートラインには立てた。
夫から電話がかかってきたあの瞬間のほっとした気持ちは、しばらく忘れないと思います。「聞けばいいのに」と思っていた私も、結局は1週間と5日、一緒に待っていたわけです。
まとめ
- 「1週間ほど」と言われたが、1週間5日目にメールで通知が届いた。夫は「自分から聞きに行かず待ちたい」と言い続けた
- 承認金額は1億円(フルローン)。借入期間30年超・完済時70代後半。FP面談で出てきた数字が書面に印字された
- 保証料は「一括払い」と「金利上乗せ」の2択。一括払いの金額が思ったより大きく、どちらにするかはまだ決めていない
- ガン団信は今回の地銀では40歳以上が対象外。工務店の担当者に確認し、他行との並行検討は問題ないと確認できた
- ネットで他行を調べたが条件が複雑すぎて判断できず。実際に別の銀行にも足を運ぶ予定
- フルローンについて夫は「投資信託の利回りの方が高いから売りたくない」と言うが、妻には不安が残る。夫婦でもう少し話し合いたい
- 何はともあれ、事前審査に通過した。「進んでいいんだ」という感覚が、ようやく生まれた
- 承認の通知が届いた日、夫は淡々としていた。「想定の範囲内」という顔で、次の調べものを始めていた。でも私は少し泣きそうになった。金額の大きさへの怖さではなく、「ここまで来た」という実感で。漠然と始まったことが、書面になって戻ってくる。その重みを、夫より先に受け取ったのは、この日が初めてかもしれない
📌 同じ状況の方へ:事前審査の結果が届くまでの時間は、待つだけでなく「次のステップの準備」に使えます。保証料の支払い方法、団信の比較、他行への並行申し込みなど、審査待ちの間にできることは意外と多いです。通過はゴールではなく、ここからが本当の判断の始まりです。
📌 同じ状況の方へ:事前審査の「承認額」は借りられる上限であって、返せる金額ではありません。FP面談と事前審査の2つの数字を並べて「どちらを判断軸にするか」を夫婦で確認しておくと、土地探しの条件設定がぶれにくくなります。
次回は、不動産仲介業者との初回面談レポートです。「良い土地を探すのではなく、買ってもいい土地を探す」——担当者から言われたこの言葉の意味を、夫がなぜかなかなか飲み込めなかった話をお伝えします。
事前審査が通ったとき、どんな気持ちでしたか?うちは、素直に喜べない自分がいて少し戸惑いました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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第8話|事前審査(後編)

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