👩 妻のひとこと
前回、私たちは順番で土地を失いました。今度の土地にも、検討している人が、ほかに二人ほどいました。ただ、その人たちは、これから事前審査です。私たちは、もう通っています。競うことになったとき、それが、こちらの持ち札でした。
📖 前回までのあらすじ
前話で、値下がりしていた80坪の土地について、工務店の担当者が「やめた方がよいとは思わない」と答えてくれました。モデルハウスの打合せで、希望する大きさの家が建つことも確認できました。予算より少し高いけれど、購入する方向で進める。少しだけ低い値段で申し込もう——そう考えていました。その続きです。
申し込みを、伝えた
夫から、知り合いの不動産業者に連絡しました。自分たちで見つけた土地を、仲介してもらう人です。神社前の土地のときも、この人でした。今回で、二度目になります。
前の土地を失ってから、そう日は経っていません。あのときの悔しさは、まだ残っています。それでも、次の土地は待ってくれない。動くなら、早いほうがいい。前回は、動けるようになるのが遅くて、間に合わなかったのですから。
伝えたことは、二つです。新しい候補が見つかったこと。そして、予算を少し超えるので、売り出し価格より少し安い金額で、購入を申し込みたいこと。
業者は、まず売り主側の仲介業者と話してみる、と言いました。様子を見ながら、数字を聞いてみます、と。こちらの希望を、そのままぶつけるのではなく、まず相手の出方を見てから。そういう進め方でした。
検討している人が、ほかに二人
しばらくして、こちらの仲介業者から連絡が入りました。売り主側から、こんな話が来ている、と。
この土地を検討している人が、ほかに二人ほどいる。その人たちは今、金融機関で事前審査を申し込んでいるところだ、と。
「ほかに二人」。その言葉で、前回がよみがえりました。私たちが決めたときには、もう先に動いていた人がいた。神社前の土地は、そうやって、消えました。また、同じことになるのか。一瞬、そう思いました。
けれど、今度は、少しだけ違いました。その二人は、これから事前審査です。私たちは、もう通っています。
ここで、こちらの仲介業者が、作戦を立ててくれました。私たちは、もう事前審査を通っている。その強みを前面に出して、うちと契約してほしい——そう、売り主側に働きかけてくれたのです。自分たちだけでは、こうは動けません。間に入ってくれる人がいることの心強さを、こういうときに感じます。
前回は、順番で負けました。私たちが申し込んだときには、先に手を挙げた人がいて、順番はもう決まっていた。今度は、順番の話ではありません。審査を通しているぶん、確かに買える相手だと見てもらえないか。そこに、望みをかけました。
「この土地で、もう一度」
ただ、一つ、お願いをされました。
私たちが前に通した事前審査は、特定の物件を前提にしないものでした。年収や、いまの借入の状況から、いくらまで借りられそうか。それを確かめる審査です。けれど、買う土地が決まると、話は変わります。その土地そのものが、担保としてどう見られるか。今回の土地を前提にした事前審査を、もう一度取ってもらえないか、と言われました。
夫は、すぐに工務店の担当者に連絡しました。今回の土地で事前審査が通るか、紹介してくれた金融機関に聞いてもらえないか、と。
そして、こちらの仲介業者には、今回の物件で事前審査を申し込んだこと、そして、この話をどうにか進めてほしいことを伝えました。
できることは、そう多くありません。それでも、動かせるところから、一つずつ動かしていきました。
値下げは、あきらめた
少し安く申し込むつもりでした。総額を、少しでも予算に近づけたかった。でも、ほかに二人も、検討している人がいる。この状況で、値下げは到底、無理です。
正直に言えば、ここが、いちばん迷ったところでした。予算は、決めてあります。その予算を、超える。分かっていて、進むことになります。
それでも、ここで値段を粘れば、この土地も逃してしまう。土地の値段を下げてもらうのではなく、これから建てる家のほうで、コストを抑える。欲しかったものを、いくつか諦めることになっても、超える分は、そこで吸収する。土地は、あとから動かせません。家は、これから決めていくものです。削るなら、家のほうだと思いました。
隣に住む人が、売り主だった
こちらの仲介業者を通じて、もう一つ、聞かれました。
この土地の売り主は、隣の土地の所有者だ、と。これからも、隣に住み続ける人です。今回買う人が、どういう人なのかを知りたがっている。家族構成などを、お伝えしてよいか、と。
少し、意外でした。土地の売り買いは、値段と条件の話だと思っていました。でも、売る側にとっては、それだけではないのですね。誰が隣に来るのか。それは、大事なことなのだと思います。
買えれば、私たちも、その人の隣に住むことになります。お互いさま、です。だから、家族構成などを、お伝えしました。隠すことは、何もありませんでした。
買えると思う、と言われた
翌々日、こちらの仲介業者から連絡が来ました。
購入できると思います、と。
「思います」。決まりました、ではありません。その一言を、私は何度か、頭の中で繰り返しました。買えるかもしれない。でも、まだ確実ではない。前回のことがあるので、素直には、喜べませんでした。
夫が聞きました。手付金は、いくらになりましたか。まだ決まっていません、という返事でした。
手付金は、契約のときに、最初に払うお金です。でも、それだけではありませんでした。手付金には、契約を解くときの役割もあります。もし契約のあとで、こちらの都合でやめれば、払った手付金は戻ってきません。逆に、売り主の都合でやめるなら、売り主はその倍を返す。手付解除、というそうです。だから、金額が大きいほど、いざというときに動かすお金も大きくなります。
そのうえ、最初に用意するお金でもあります。できれば、抑えたい。相場よりは安くなってしまうけれど、できるだけ小さくしてほしい。そうお願いしました。
買えると思う、と言われました。まだ、決まったわけではありません。それでも、失った土地の次に、私たちはもう一度、手を伸ばすところまで、来ていました。
📝 まとめ
- 夫から、自分たちで見つけた土地を仲介してもらう知り合いの不動産業者(神社前の土地と同じ)に、新しい候補と、予算を超えるので売り出し価格より少し安く申し込みたい旨を伝えた。業者は売り主側の仲介業者と話し、数字を聞いてみると答えた
- こちらの仲介業者を通じて、ほかに二人ほど検討者がいて、その人たちはこれから事前審査を申し込むところだと判明。仲介業者が「私たちは既に事前審査を通っている」点を推し、うちと契約してほしいと売り主側へ掛け合ってくれた
- 一方で「今回の土地を前提にした事前審査をもう一度」と頼まれ、夫が工務店の担当者経由で紹介元の金融機関に相談。今回の物件で事前審査を申し込んだ
- 競合がいる以上、値下げは難しいと判断。予算の超過分は建物側のコストダウンで吸収する方針に切り替えた
- 売り主は隣地の所有者で、買い手がどんな人か知りたがっていたため、隣人になることも踏まえ家族構成などを伝えた
- 翌々日「購入できると思う」と連絡。手付金の額は未定。手付金は最初に払ううえ、買い主が解約すれば放棄・売り主が解約すれば倍返しになる(手付解除)ため、相場より抑えたいと依頼した
このブログについて
都市部で土地から注文住宅を建てる40代・4人家族の記録ブログです。賃貸10年の限界を感じた夫婦が、FP面談・住宅ローン事前審査・土地探しのリアルをそのまま書いています。同じように家づくりを考えている方のヒントになれば嬉しいです。
💬 よくある質問
- Q. 事前審査は、土地が決まっていなくても受けられるのですか?
- A. 受けられます。特定の物件を決める前でも、年収や借入の状況などから、いくらまで借りられそうかを金融機関に確認する事前審査があります。一方で、実際に買う土地や建てる建物が決まると、その物件を前提にした事前審査を求められることがあります。物件の価格や担保としての評価が加わるため、同じ人でも、前提によって結果が変わることがあります。売買の場面では、どちらの事前審査を通しているかを聞かれることがあります。
- Q. 購入希望者が複数いるとき、何が見られるのですか?
- A. 売り主や仲介の考え方によって変わりますが、価格だけでなく、支払いの確実さが見られることがあります。住宅ローンの事前審査を通っているか、いつ契約・決済できるか、条件が整理されているか、といった点です。申し込みの順番が影響することもあります。買う側にできるのは、確実に動ける状態を先に整えておくことだと、私たちは考えています。
- Q. 手付金は、どのくらい必要なのですか?
- A. 金額に決まりはなく、売買価格の一割程度が一つの目安とされますが、最終的には当事者の合意で決まります。手付金は契約のときに支払い、多くはあとで売買代金の一部に充てられます。契約後に買い主の都合で解約する場合は手付金を放棄し、売り主の都合なら倍にして返すという、解約手付の役割を持つのが一般的です。最初に用意するお金なので、負担を抑えたい場合は、契約の前に相談することになります。
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