👩 妻のひとこと
神社前の土地の話は「見送りかな」——完成見学会の帰り道、夫はそう言いました。あの一言から、夫の家づくりへの熱意は、目に見えて冷えていきました。今回は、止まった我が家の家づくりが、もう一度動き出すまでの二週間の話です。
📖 前回までのあらすじ
前話で、完成見学会の帰り道、夫は神社前の土地について「今回の話は、見送りかな」と言いました。駐車と駐輪だけが「解決できると思う」止まりで、図面の上ではまだ誰も確認できていなかったからです。その続きです。
あの日を境に、我が家の家づくりは、ゆっくりと止まっていきました。
「悪くないね」で止まる土地探し
不動産情報サイトのランディで、私は新しい土地を探し始めました。良さそうな土地を見つけては、夫に見せる。返ってくるのは、いつも同じ一言でした。
見に行こう、という話には、いつまでも進みませんでした。
工務店にも、まだ何ひとつ伝えていませんでした。
夫はそう言うだけで、自分から連絡を取ろうとはしませんでした。
夫が始めた家づくりです。その夫がやる気を失っている様子を見て、腑に落ちない気持ちはありました。それでも、無理にやる気を出させることはできません。それに、正直なところを言えば、ランディで見つかる土地のなかに、これといって良いものがなかったのも事実でした。駅から遠い。希望のエリアではない。土地に特徴がない。私自身、心から勧められる土地には、出会えていませんでした。
夫の頭からは、担当者が完成見学会の打合せで言った、あの一言が離れないようでした。「2〜3箇所土地を見られて、その中から決められる方もいますね」。私にはただの実例紹介に聞こえたその言葉が、夫には、これまでの動き方を否定されたように響いていました。
二週間後、担当者からLINEが届いた
打合せから二週間ほど経った頃、担当者からLINEが届きました。神社前の土地で、新しいプランができた、と。
こちらから頼んだものではありませんでした。まだ土地も買っておらず、設計費も一切払っていない段階です。何度も描き直しを頼むことに、私たちはずっと遠慮がありました。それなのに、担当者は自分の判断で、プランを描き直してくれていました。
届いたプランには、打合せで挙げた要望が、いくつも反映されていました。第一案にあった和室をなくし、Ⅱ型だったキッチンを壁付けに変更。そうやって捻出したスペースに、駐車と駐輪の場所が確保されていました。動線や寝室の希望など、他の改善点も直っていました。
夫が動き出した
新しいプランを見て、夫のやる気は戻りました。
気になる点がなかったわけではありません。玄関を入ってすぐが、リビングではなくダイニングになる配置に、少し引っかかっていたようでした。それでも、敷地が狭く角地でもないことを踏まえれば、仕方がない範囲だと考えたようです。
夫を動かしたのは、間取りそのものより、担当者の熱意だったと思います。「2〜3箇所見て決める方もいますね」の一言は、まだ引っかかっていたはずです。それでも、二週間でこのプランを描き直してきた担当者を前に、夫は、期待に応えたいと思ってくれている、と感じたようでした。
疑問点メモを手に、打合せへ
私から担当者に、打合せをしたいと連絡を入れました。すぐ次の日曜日、夕方六時からに決まりました。
それまでの間、夫は聞きたいことをメモにまとめていました。
打合せ前の、夫のメモ
- このプランを前提にした外観のイメージ
- 前回の図面にはあったトップライトが、今回はないのはなぜか
- 北向きのリビングにデッキを設けて、部屋が暗くなりすぎないか
- 耐震等級3の1.25倍を取りたい。構造的に無理はないか
- 気密測定をオプションで付けられるか
- 長期優良住宅は取れるか
- バルコニー下の防水、打設コンクリートの強度の上乗せ
- 現場監督の体制。監理者による現地確認の頻度と、報告の方法
項目は、多岐にわたりました。質問の内容から、夫が契約を真剣に考えていることが、伝わってきました。
日曜、夕方六時の打合せ
打合せの席で、担当者は夫の質問に、ひとつずつ丁寧に答えてくれました。答えに詰まる場面はなく、夫も納得した様子でした。
これだけ細かい質問を並べれば、引かれるかもしれない。少しそう思っていました。けれど担当者からは、そういう気配は感じませんでした。むしろ、ごまかしの利かない相手として、正面から答えようとする構えを感じました。
担当者には「今週中に、結論を出します」と告げて、打合せを終えました。
冷えていたのは、家づくりへの熱意ではなかった
あらためて振り返ると、あの日冷えていたのは、家そのものへの興味ではなかったのだと思います。安くない決断を、確証のないまま前に進めることへの抵抗が、やる気という形で表に出ていた。そう思います。
頼んでもいない新しいプランと、丁寧に答え続けてくれた打合せは、その抵抗を溶かすだけの材料になりました。結論は、まだ出ていません。今週中に、私たちは答えを出します。次回は、そのことを書きます。
📝 まとめ
- 完成見学会の帰り道以降、夫の家づくりへの熱意は目に見えて冷え込んだ。ランディで妻が土地を提案しても「悪くないね」止まりで動かず、工務店への見送り連絡も「別にいいんじゃないかな」で進まなかった
- 「2〜3箇所見て決める方もいますね」という担当者の一言が、夫の頭から離れない様子だった。妻には実例紹介に聞こえた言葉が、夫にはこれまでの動き方への否定に聞こえていた
- 打合せから2週間後、頼んでもいないのに、担当者からLINEで神社前の土地の新プランが届いた。和室を廃止しキッチンをⅡ型から壁付けに変更、駐車・駐輪スペースを確保。その他の要望も反映されていた
- 新プランを見て夫のやる気は回復。玄関を入ってすぐダイニングになる点は気になったが、敷地条件を踏まえ許容。夫を動かしたのは間取りそのものより、頼まれてもいないのに動いてくれた担当者の熱意だった
- 妻が打合せを申し込み、日曜18時に設定。夫は外観・採光・耐震等級3の1.25倍・気密測定・長期優良住宅・監理体制・現場監督など、疑問点をメモにまとめて臨んだ
- 打合せでは担当者がひとつずつ丁寧に回答し、夫も納得。「今週中に結論を出します」と告げて終了。結論は次回へ
このブログについて
都市部で土地から注文住宅を建てる40代・4人家族の記録ブログです。賃貸10年の限界を感じた夫婦が、FP面談・住宅ローン事前審査・土地探しのリアルをそのまま書いています。同じように家づくりを考えている方のヒントになれば嬉しいです。
💬 よくある質問
- Q. 契約前に、こちらから依頼していない新しいプランを提案してもらえることはありますか?
- A. 会社や担当者の姿勢によります。義務ではなく、担当者の判断による対応であることが多いため、必ず期待できるものではありません。契約前にどれだけ動いてくれるかは、会社選びの判断材料のひとつになります。
- Q. 家づくりに対する夫婦の熱意にズレが出たとき、どうすればいいですか?
- A. 無理に相手のやる気を引き出そうとするより、土地の条件や担当者の対応といった具体的な材料を積み重ねていく方が、気持ちが自然に戻ることがあります。今回は、頼んでもいない新しいプランという材料が、きっかけになりました。
- Q. 契約前の打合せで、技術的な質問をたくさんしてもよいのでしょうか?
- A. 気密測定や耐震等級、監理体制など、契約後に確認しづらくなる項目は、契約前にまとめて聞いておく方が安全です。質問の多さを気にする施主もいますが、ひとつずつ丁寧に答えてくれるかどうかは、そのまま会社選びの判断材料になります。
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