👩 妻のひとこと
FP相談に行く前、夫と「保険売られたらすぐ帰ろうね」と決めていました。終わってみたら、保険の話は一度も出ませんでした。代わりに聞かれたのは「年に何回くらい旅行したいですか」。あの面談を受ける前と後で、家づくりの考え方がいちばん変わった気がします。
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FP相談って、なんとなく「申し込む前から気が重い」イメージがありませんか。でも実際のところ、「保険を売りつけられないか」「工務店の紹介だと誘導されるんじゃないか」「そもそも相談するほどのことなのか」——そんな疑いと迷いで、なかなか予約に踏み切れない方も多いのではないでしょうか。
我が家もまったく同じでした。工務店から紹介されて受けてみたら、最初に聞かれたのは年収ではなく「年に何回くらい旅行したいですか」。予想外の切り口に戸惑いながら、終わってみれば「借りられる額」ではなく「借りてもよい額」の感覚が、初めてクリアになっていました。
この記事は、40代・4人家族の我が家がFP相談を2回受けた記録をもとに、次のことをまとめています。
👪 登場人物:直感派の妻と、調べ始めたら止まらない自営業40代の夫。都市部で土地から注文住宅を建てる4人家族の記録です。連載のあらましは 第1話 からどうぞ。
間取りを検討している方は、あわせて注文住宅の間取りチェックリスト98項目もご覧ください。有効幅の罠や見落としポイントを、打ち合わせ前にチェックしておきたい視点で整理しています。
📚 この記事は体験連載の補足まとめです
FP相談の生の記録は、以下の連載エピソードで読めます。
- → 第6話(前):FP相談1回目 年収・老後・旅行まで聞かれた2時間
- → 第6話(後):70代まで借りられるという言葉の重さ
- → 第7話(前):FP面談2回目 総予算9,000万円とNISA両立を考えた日
- → 第7話(後):9,000万円でも足りない? 予算の現実
連載全体のあらましは 第1話 からどうぞ。
「借りられる額」と「借りてもよい額」は違う
妻
「借りられる額」と「借りてもよい額」が違う——このことをFP相談で初めてちゃんと教えてもらった。銀行の担当者は、この話をしてくれなかった。
📖 我が家の場合は → FP面談2回目|総予算9,000万円とNISA両立を考えた日 | 2回目(後編)|9,000万円でも足りない?予算の現実 第7話:「借りられる」と「返せる」の差をFPに数字で見せてもらった日。あの計算が結局変わり大きく動いた記録。
FP相談を受けて一番よかったと感じたのは、「借りられる額」と「借りてもよい額」の違いを実感できたことです。
銀行の住宅ローン審査では、一定の基準で「この額まで融資できます」という上限が出ます。でも、その審査が通った金額が「自分たちが無理なく返せる金額」かどうかは、また別の話です。
FP相談では、将来の収支をシミュレーションしながら「借りても安心な額」を自分たちで判断できるようになります。 老後の生活費、子どもの教育費のピーク、車の買い替え——そういったライフイベントでのお金の動きを並べた上で、「この返済額なら無理がない」「この金額になると将来が厳しくなる」という感覚が、初めてリアルに見えてきます。
「いくら借りられるか」を知りたくてFP相談に行ったはずが、帰り道には「いくらなら安心して返せるか」という問いに変わっていました。その視点の転換が、我が家にとって一番の収穫でした。
⚠️ FP相談で得られる情報について
FP相談で聞けることは、あくまでもシミュレーションと一般的な情報です。税制や制度の詳細(住宅ローン減税・贈与税の非課税枠など)は条件によって変わるため、契約前に工務店・税理士・金融機関にも確認することをおすすめします。また、FPによってアドバイスの内容やスタイルは異なります。この記事はあくまで我が家の体験をもとにした記録です。
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FP相談はいつ行くべき?|土地探し・工務店決定の前がおすすめ
夫
「もっと早く相談しておけばよかった」というのが正直な感想。FP相談は、決める前に行くほど価値がある。
「家づくりのどのタイミングでFP相談に行けばいいのか」というのも、よくある疑問だと思います。我が家の場合は、完成見学会に数回参加して「この工務店で建てたいかもしれない」という気持ちが固まってきた頃に、担当者から声をかけてもらいました。
結果として、このタイミングはちょうどよかったと思っています。理由は2つあります。
ひとつは、「どんな家を建てたいか」のイメージがある程度固まっていたこと。FP相談では「家のイメージ」も聞かれます。何も決まっていない状態よりも、「自然素材の家を建てたい」「このくらいの広さがほしい」という方向性があった方が、シミュレーションの精度が上がります。
もうひとつは、「予算の感覚」がまだふわふわしていたこと。完成見学会で具体的な建築費の数字を聞いて、「これって現実的なの?」という疑問が生まれていたからこそ、FP相談の答えが刺さりました。
目安として言えば、「なんとなく家を建てたい気持ちが固まってきたが、予算の現実が見えていない」というタイミングが、FP相談を受けるひとつの目安になると思います。
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家づくりを考え始めた段階でのFP相談が、一番効果的です。お金の現実を早めに把握することで、土地探しや工務店選びが一気にスムーズになります。
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FP相談で確認される資産の種類
妻
相談の中で自分たちの資産を整理したとき、「こんなに把握できていなかったのか」と少し驚いた。数字と向き合うことが、一番の準備だった。
初回のFP面談では、「今いくら持っているか」を資産の種類ごとに細かく確認されます。我が家の場合、以下をすべて聞かれました。
- 預金(普通・定期)
- 投資信託の残高
- NISAの残高
- iDeCoの残高
- 小規模企業共済の残高(自営業者)
- 国民年金基金の残高(自営業者)
単に合計額を聞かれるのではなく、種類ごとに分けて確認されます。それぞれ「すぐ使えるかどうか」と「将来いくらになるか」の性質がまったく異なるからです。
自営業者特有の資産
小規模企業共済は、自営業者・フリーランス向けの退職金積み立て制度です。掛け金は全額所得控除になる節税メリットがあります。受け取り額は掛け金の総額と加入期間によって決まり、市場の動きで増減するわけではありません。ただし任意解約の場合、加入年数が短いと元本割れになることがあります。
国民年金基金は、国民年金(1階部分)に上乗せできる自営業者専用の年金制度です。会社員の厚生年金に相当するものとして自分で積み立てます。加入口数と加入期間によって受け取り額が確定するタイプで、運用成果によって変動しません。掛け金は全額所得控除の対象です。
iDeCoの3つの注意点
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、会社員・自営業者を問わず幅広く利用できる、自分で運用先を選んで積み立てる年金制度です。掛け金が全額所得控除になり運用益も非課税というメリットがある一方、以下の制約があります。
原則として脱退(解約)できません。拠出を休止することは可能ですが、60歳になるまで制度から抜け出せません。
原則60歳まで受け取り不可です。住宅購入の頭金に充てることもできません。急にまとまったお金が必要になっても、iDeCoの残高は使えない資産です。
積み立て中は節税できますが、出口では課税されます。一時金で受け取ると退職所得控除が、年金で受け取ると公的年金等控除が適用されます。退職金がある会社員の方は控除が重なる場合があるため注意が必要です。
FP相談ではこれらの性質を踏まえた上で、「すぐ使える資産」「老後まで使えない資産」を分けてシミュレーションに組み込んでもらえます。
📖 住宅ローンの選び方も合わせてチェック
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固定vs変動金利の仕組み、125%ルールの落とし穴、諸費用・保証料の全体像、住宅ローン減税の仕組みまで。自営業40代が実際に調べ・体験したことをまとめた一記事。
住宅ローンの借入目安——一般的な考え方
銀行の審査が通った額が、そのまま「安全に返せる額」とは限りません。FP相談を受けて一番変わったのはこの視点です。一般的な目安として参考になる考え方を紹介します。
年収倍率の目安
借入額の目安として「年収の5〜7倍」がよく使われます。たとえば年収600万円の場合は3,000〜4,200万円が一般的な借入範囲とされます(※読者ご自身の年収で読み替えてください)。ただしこれはあくまで目安であり、家族構成・生活費・教育費・老後の見通しによって大きく変わります。
返済負担率の目安
毎月の返済額が手取り月収の25〜30%以内に収まると、返済が家計を圧迫しにくいとされています。金利が上昇した場合の返済額の変化も含めて考えることが重要です。
大切なのは「自分たちの数字」
年収倍率や返済負担率はあくまで出発点です。老後の資産・子どもの教育費・夫婦それぞれの収入の変化——こうした個別の事情を組み込むと、借りてよい額は家庭ごとに変わります。FP相談の本当の価値は、この「自分たちの数字」を出してもらえることにあります。
住宅購入後のお金の管理——2つのポイント
① 「すぐ使えるお金」を必ず残す
FP相談でシミュレーションされるのは長期的な計画ですが、それとは別に「いざというときの現金」を確保しておくことが重要です。
iDeCoは原則60歳まで引き出せません。NISAも長期運用が前提で、売り時でないときに換金すると損が出る可能性があります。収入が一時的に下がったとき、急な修繕が発生したとき——そういった場面で頼れるのは、普通預金などに置いた流動性の高い現金です。
一般的な目安として、生活費の3〜6ヶ月分は手元に残しておくことが勧められます。自営業者のように収入が不安定な場合は、より多めに確保しておく方が安心です。住宅購入の頭金を入れたあとに手元がほぼゼロ、という状況は避けた方がよいでしょう。
② 繰り上げ返済とNISA継続、どちらを優先するか
住宅ローンを組んだあと、「余裕資金が出たら繰り上げ返済に充てるべきか、NISAなどで運用を続けるべきか」と迷う方は多いです。
考え方の基本はシンプルで、ローン金利と期待利回りの比較です。繰り上げ返済は「ローン金利分の利息を確実に節約する」効果があります。リスクはゼロですが、リターンもローン金利分に限られます。一方、NISAなどの投資は期待利回りが上回る可能性がある分、元本が減るリスクもあります。
どちらが正解かは、ローンの金利水準・残期間・家計の安定性・本人のリスク許容度によって変わります。「数字上は投資の方が有利」でも、借金が気になって眠れないという方には、繰り上げ返済の安心感の方が価値を持つこともあります。
自分たちの状況を踏まえてこの判断を整理したい場合も、FP相談が力になります。
筆者より一言
FP相談に行くまで、自分たちの家計をここまで細かく見たことがありませんでした。質問に答えながら、初めて全体像が見えた気がします。
銀行の審査額ではなく、教育費・老後・もしものときも含めて返せる額をFPに整理してもらう。
② 工務店の紹介でも保険売り込みは無かった
身構えすぎず、無料相談を1回受けてみる価値はあります。気になる質問はその場で正直に聞いて大丈夫。
③ 自営業はiDeCo・小規模企業共済・国民年金基金まで一覧化
「すぐ使える資産」と「老後まで使えない資産」を分けて把握すると、シミュレーション精度が上がります。
我が家のFP面談体験談、詳しく読む
- → 第6話:注文住宅のFP相談レポート|年収・老後・旅行まで聞かれた2時間でわかったこと
- → 第6話(後):FP面談レポート(後編)——70代まで借りられる、その言葉の重さ
- → 第7話:FP面談2回目|総予算シミュレーションとNISA・教育費の両立を考えた日
- → 第7話(後):FP面談2回目(後編)——9,000万円でも足りないと知った日
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- Q. FPに何を聞けばいいですか?
- A. 住宅購入前なら「借りてもよい額」「教育費との両立」「老後資金の見通し」の3点が重要です。漠然と「家を建てたい」でもOK。FPがヒアリングしながら必要な情報を引き出してくれます。
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- A. 我が家の場合、保険の提案はまったくありませんでした。ライフプランの確認とシミュレーションが中心で、保険の話は一切出ませんでした。
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