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- 注文住宅の費用の全体像(本体工事/付帯工事/諸費用/外構の比率)
- 概算資金計画書に記載する項目と、金融機関に提出する際の注意点
- 約9,549万円の項目別内訳(我が家の実例)
- 事前審査前に費用を整理しておくメリット
都市部で土地から注文住宅を建てようとしている4人家族の記録ブログです。この記事はストーリー記事とは別に作成したまとめ記事です。家づくりを進める中で実際にかかった(かかりそうな)お金の全体像を、工務店からもらった概算資金計画書をベースに一記事でまとめました。
この記事に記載している金額は、すべて我が家のケースにおける概算値です。費用は地域・工務店・土地の条件・建物の仕様によって大きく異なります。資金計画にあたっては、必ずFP・金融機関・建築会社など有資格の専門家にご相談ください。本記事の情報をもとに生じたいかなる損害についても、筆者は責任を負いかねます。
家づくりを始める前は、そう思っていました。
でも工務店からもらった概算資金計画書を開いたら、項目が20以上ありました。仲介手数料、ローン保証料、上下水引込工事、地盤改良、登記費用、火災保険、設計費……。ひとつひとつは「まあそうだよね」と思える項目なのに、全部足すと想像以上の金額になる。夫婦で顔を見合わせて、しばらく黙ってしまいました。
この記事では、我が家が工務店からもらった概算資金計画書の構成をベースに、注文住宅にかかるお金の全体像を一記事にまとめます。いわば「お金の全体地図」です。住宅ローンや土地探しの詳細は別のまとめ記事に譲り、ここでは「どこに・何に・いくらかかるのか」の見取り図をできるだけ正直に書きました。
⏱ 3分で読む早見版
- 総費用は「土地代・建築費・諸費用」の3つの箱+αで整理する
- 土地代3,600万円でも、土地代「以外」で約320万円(仲介手数料・測量・地盤調査など)計上されていた
- 坪単価130万円に含まれないお金がある——別途工事費・付帯工事費で上物の実績合計は5,456万円(税込)へ
- 諸費用(登記・ローン保証料・火災保険など)は合計約170万円。1つ1つは小さくても積み上がる
- 借入可能額 ≠ 無理なく返せる額。銀行審査は額面年収の25〜35%、FPが推奨する安全圏は手取り年収の20〜30%程度が目安
👪 登場人物:直感派の妻と、調べ始めたら止まらない自営業40代の夫。都市部で土地から注文住宅を建てる4人家族の記録です。連載のあらましは 第1話 からどうぞ。
概算資金計画書とは|いつ、誰からもらう書類か
概算資金計画書とは、注文住宅にかかるお金の全体像を、土地・建物・諸費用などの項目ごとに一覧にした見積もりの書類です。多くの場合、工務店やハウスメーカーとの打ち合わせが進んだ段階や、住宅ローンの事前審査を申し込む前に、依頼先の会社が作成して渡してくれます。我が家も、住宅ローンの事前審査に提出するために工務店から受け取りました。
契約前の概算なので金額は確定値ではありません。ただ、土地代だけ・建物本体だけを見ていると見落とす「坪単価以外にかかるお金」が一枚にまとまっているため、資金計画の出発点として大切な書類です。この記事では、実際の概算資金計画書(総額約9,549万円)を例に、どの項目に何が含まれるのかを読み解いていきます。
注文住宅の費用の全体像|3つの箱で整理
📌 工務店の資金計画書は「土地関係費用」「住宅建築費用」「その他諸費用」の3区分。そこに「入居後のお金」を加えた4つの視点で全体像を把握します。
工務店からもらった概算資金計画書は、大きく3つのカテゴリに分かれていました。これに「入居後にかかるお金」を加えた「3+1」の箱で整理すると、全体像が見えてきます。
| 区分 | 主な内訳 | 我が家の概算 |
|---|---|---|
| ① 土地関係費用 | 土地代・仲介手数料・登記・ローン保証料・上下水引込 など | 約3,923万円 |
| ② 住宅建築費用 | 建物本体・外構・造園・照明カーテン・地盤改良・設計費 など | 約5,456万円(税込) |
| ③ その他諸費用 | 登記・ローン保証料(住宅分)・火災保険 など | 約170万円 |
| ④ 入居後のお金 | 固定資産税・メンテナンス・火災保険更新 など | (後述) |
ここから紹介する内訳は、住宅ローンの事前審査に向けて工務店が作成した「概算」資金計画書がベースです。土地が確定する前段階の暫定資料で、土地代金は仮置き、ローン保証料は例示の借入額(4,000万円・5,500万円)で試算されています。本契約・着工に向けては、土地確定後の再見積もり、仕様確定後の冷暖房・地盤改良の積算、金融機関決定後の正式な保証料率の適用など、段階的に金額が更新されていきます。各項目の金額は「考え方を理解するための目安」として読んでください。
【内訳①】土地関係費用 約3,923万円の中身|土地代「以外」で約320万円
📌 このセクションの要点
- 土地代3,600万円に対し、土地代「以外」で約320万円が積み上がる
- 仲介手数料は土地代×3%+6万円+消費税の上限式(3,600万円なら約125万円)
- 登記・印紙・固定資産税日割で数十万円、ローン保証料・諸経費で借入額に応じて変動
- 上下水引込・造成は土地のコンディションで0円〜数百万円と振れ幅が大きい
「土地代だけ用意すればいい」と思って始めると、ここでつまずきます。我が家の概算資金計画書には、土地関係だけで13項目がぎっしり並んでいました。土地代3,600万円はあくまで起点で、そこに各種の手数料・登記・引込工事・造成が積まれて、合計は約3,923万円になりました。
▼ 主な項目と「決まり方」
| 項目 | 金額の目安 | 中身・決まり方 |
|---|---|---|
| 土地代金 | 3,600万円 | エリア・広さ・接道で大きく変動 |
| 仲介手数料 | 約125万円 | 【土地代×3%+6万円】+消費税(上限式) |
| 土地購入諸経費 | 数十万円 | 所有権移転登記・固定資産税日割・印紙代 |
| ローン保証料(土地) | 借入の約2% | 例:4,000万円借入で約80万円 |
| ローン諸経費(土地) | 数万円 | 事務手数料・印紙代 |
| 上下水引込工事 | 0〜数百万円 | 埋設状況で大きく変動 |
| 造成工事 | 0〜数百万円 | 盛土・切土・ブロック積・土留めなど |
※項目ごとの金額は地域・土地条件・借入額で大きく変動します。実額は見積書でご確認ください。
仲介手数料は「土地代の3%+6万円」が天井
仲介手数料は、宅建業法で上限が決まっています。売買価格が400万円超の場合は「成約価格×3%+6万円+消費税」。土地代3,600万円なら、(3,600万円×3% + 6万円) × 1.1 = 約125万円。これが上限で、実際の請求はこの範囲内で決まります。
不動産仲介の実務では、上限額の請求が事実上のスタンダードです。値引き交渉は難しい前提で、最初から固定費として組み込んでおくのが安全でした。
土地購入諸経費の内訳
「土地購入諸経費」の中身は、主に3つです。所有権移転登記(司法書士報酬+登録免許税)、固定資産税の日割り精算(売主が前納していた分の按分)、売買契約書の印紙代。それぞれ単体では数万〜10万円台ですが、合算すると数十万円規模になります。
ローン保証料は「保証会社に払う一時金」
ローン保証料は、住宅ローン返済が滞ったときに保証会社が金融機関に立て替えるための保険料のようなもの。借入金額の約2%が一時払いの目安です。我が家の概算では、土地分の事前審査が借入4,000万円ベースだったため、保証料も約80万円で計算されていました。
金融機関によっては「保証料0円・金利上乗せ型」を選べる場合もあります。総支払額で比較すると一時払いと有利不利が逆転することもあるため、複数行で見積もるのがおすすめです(詳細は住宅ローンまとめ記事へ)。
上下水引込・造成は「土地ガチャ」の領域
計画書で20万円・100万円規模と置かれていた上下水引込工事と造成工事は、実は最も振れ幅が大きい項目です。前面道路の埋設状況・敷地形状・既存擁壁の有無で、0円〜数百万円まで動きます。
資金計画書に「該当なし」と線が引かれていた項目(上水・下水の市納金(分担金)、解体工事、建築許可申請、開発許可申請、分筆費用)は、土地によっては数十万〜数百万円規模で発生します。
たとえば市街化調整区域では都市計画法上の許可申請が必要なケースが多く、農地転用が絡めばさらに手間とコストが増えます。盛土が一定規模を超える場合は開発許可申請が必要(※自治体により基準が異なります)、解体が必要な古家付き土地、確定測量や境界立会いが必要な分筆案件——どれも知らずに契約すると、数百万円単位で予算が動きます。「自分の土地ではどの項目が発生するか」を、契約前に必ず工務店と不動産業者の双方に確認してください。
📖 住宅ローンとの予算配分
2026年版・住宅ローンの選び方、変動・固定・フラット35を比較
固定vs変動金利の仕組み、125%ルールの落とし穴、諸費用・保証料の全体像、住宅ローン減税の仕組みまで。自営業40代が実際に調べ・体験したことをまとめた一記事。
【内訳②】住宅建築費用 約5,456万円の中身|坪単価130万円の正体
📝 補足:FP面談(第7話)でのシミュレーションは「建物関連の費用 約5,200万円」という口頭概算でした。このページで紹介している5,456万円は、後日工務店から正式に提示された概算資金計画書の数字で、別途工事費・付帯工事費まで含めた実績ベースの暫定値です。
📌 このセクションの要点
- 「坪単価130万円」は建物本体工事だけ。32坪 × 130万円 = 4,160万円
- 本体工事に含まれないもの:照明・カーテン/冷暖房/外構/造園/地盤改良/設計費・確認申請/現場管理
- 「冷暖房は別途工事」と書かれていた——坪単価表示の落とし穴
- 諸経費の中に設計費(200万円規模)が含まれる構造
「坪単価130万円」と聞くと、それで家1棟の値段が決まる気がしてしまいます。でも資金計画書を開くと、坪単価で計算される「建物本体工事」は32坪 × 130万円 = 4,160万円で、住宅建築費用全体の合計は約5,456万円(税込)。差の約1,300万円は、坪単価には入っていない別項目で積み上がっていました。
▼ 主な項目と「坪単価への含まれ方」
| 項目 | 坪単価に含まれる? | 備考 |
|---|---|---|
| 建物本体工事 | ○ 32坪 × 130万円 = 4,160万円 | 基礎・構造・屋根・外壁・内装・標準設備 |
| 照明・カーテン | × 別途・概算予算取り | 仕様確定で増減 |
| 冷暖房工事 | × 別途工事(金額未計上) | 仕様確定後に積算 |
| 外構工事 | × 別途・概算予算取り | フェンス・門扉・駐車場ほか |
| 造園工事 | × 別途 | 植栽・割栗石など |
| 地盤改良工事 | × 配置確定後の地盤調査結果次第 | 不要な土地もある |
| 諸経費 | × 別途(設計費200万円規模を含む) | 地盤調査・確認申請・現場管理 |
※記事冒頭の「住宅建築費用 約5,456万円」は、概算→実績の振替を反映した暫定値です。各項目の金額は仕様・契約条件で動きます。
「坪単価」が指すもの=本体工事だけ
工務店・ハウスメーカーが提示する坪単価は、原則として「建物本体工事」の単価です。基礎・構造・屋根・外壁・内装・建具・標準設備(キッチン・バス・トイレ・洗面など)が含まれますが、それ以外の項目は含まれないのが一般的。
会社によっては「付帯工事込みの坪単価」を提示するところもあります。だからこそ見積比較のときは、「この坪単価には何が含まれていますか?」を必ず聞いてから比較してください。同じ「坪単価100万円」でも、含まれる範囲が違えば総額は数百万円変わります。
冷暖房が「別途工事」になっていた話
計画書で正直に驚いたのは、冷暖房工事の欄が「別途工事」と書かれていたことです。エアコン1台あたり10〜20万円、全館空調なら100〜200万円規模。注文住宅では仕様確定後に積算するため、概算段階では金額が入っていない——という説明を受けました。
言い換えると、「坪単価には冷暖房が含まれない」前提で予算を組むということ。エアコンを各部屋に付けるなら4〜6台で50〜100万円、全館空調なら別格です。後から驚かないために、契約前に「冷暖房はどの仕様で、どの段階で見積もりますか」を確認しておくのがおすすめです。
諸経費の中に設計費200万円が含まれる構造
住宅建築費用の中で「諸経費」と書かれていた項目の中身は、地盤調査費・確認申請費・設計費(200万円規模)・現場管理費などの合算です。とくに設計費200万円は、建物本体に含まれない独立費用として計上されているのがポイント。
大手ハウスメーカーの場合、設計費は本体工事に組み込まれていることが多いですが、工務店は別建てで請求するケースが珍しくありません。「工務店の坪単価は安く見える」と感じたら、設計費が別建てになっていないかを必ず確認してください。
【内訳③】その他諸費用 約170万円の中身|登記・保険・ローン手数料
📌 このセクションの要点
- 住宅取得時の登記・ローン保証料・火災保険などをまとめた区分
- ローン保証料(住宅)は借入5,000〜5,500万円・35年返済ベースで約100〜110万円
- 火災保険は5年一括で約20万円。地震保険は「任意」扱い——ここを忘れると予算外で発生
3つ目の箱「その他諸費用」は、住宅取得そのものに付随する手続き費用と保険料の集合です。我が家の概算では合計約170万円。1つ1つは数十万円ですが、5項目が積み上がると意外と大きな額になります。
| 項目 | 金額の目安 | 中身・決まり方 |
|---|---|---|
| 登記費用 | 約35万円 | 表示登記・保存登記・抵当権設定登記・諸経費 |
| ローン保証料(住宅) | 約100〜110万円 | 借入額の約2%(例:5,000〜5,500万円・35年返済) |
| ローン諸経費(住宅) | 約15万円 | 事務手数料・印紙代 |
| 火災保険料 | 約20万円 | 5年一括(保証内容で変動) |
| 地震保険料 | 任意 | 5年一括(任意保険) |
※小計は記事冒頭サマリ表の「約170万円」を参照。料率・保険料は2026年時点の目安で、実額は見積書で確認してください。
登記費用は「3つの登記」の合算
住宅を建てるときの登記は、表示登記(建物の存在と仕様を法務局に登録)、保存登記(所有権の保存)、抵当権設定登記(住宅ローンの担保設定)の3つが基本セット。これに司法書士報酬・登録免許税・印紙代が加わって、合計35万円規模になります。
地震保険を「任意」のまま放置しない
計画書で地震保険が「任意」扱いになっていたのは、あくまで「予算には入れていない」だけという意味でした。実際に契約するかしないかは別問題。火災保険だけでは地震・噴火・津波が原因の損害は補償されないため、地震保険に入る場合は追加で年数万円〜十数万円を予算化しておく必要があります。
我が家もここは契約直前まで保留にしていました。「火災保険でカバーされている」と思い込んで地震保険を切ってしまうと、後で大きな後悔になりかねません。計画書の「任意」欄は、予算外の項目が隠れているサインと考えるのが安全です。
【補足】入居後にかかるお金|資金計画書には載らない
注文住宅の概算資金計画書は、引き渡しまでの費用を整理した書類です。引き渡し後に発生するお金は別の話で、「入居後のランニングコスト」として頭に入れておかないと、ローン返済とのダブルパンチで家計が苦しくなります。
我が家が概算で見積もっている「入居後のお金」は、ざっくり以下のとおりです。
- 固定資産税・都市計画税——一般的な目安は年間10〜30万円程度。ただし土地評価額の高い都市部や建物が大きい場合は上回ることもある(新築住宅は当初数年間の軽減措置あり)。家屋は経年で評価額が下がるが、土地は基本的に下がらない
- 火災保険の更新——5年ごとに約20万円。2022年10月から最長10年契約が5年契約に短縮されたため、更新サイクルは以前より早い
- 外壁・屋根のメンテナンス——10〜15年ごとに塗装で50〜100万円、外壁材交換も含めると100〜200万円規模。塗料グレードと外壁材で大きく変わる
- 給湯器・空調などの設備更新——10〜15年で1台あたり20〜50万円。エコキュートは特に高い
- 光熱費——高断熱住宅なら月1〜2万円が目安。性能の低い家だと2〜3倍になることも
これらは住宅ローンの返済額とは別建てで発生します。「借りられる額」と「返せる額」の差を考えるときは、ローン返済額に加えて月3〜5万円のランニングコスト枠を見込んでおくと、入居後の家計が安定します。詳しくはFP相談まとめ記事と住宅ローンまとめ記事でも触れています。
🔥 火災保険は5年ごとに更新――入居前・更新時に一度比較しておく
2022年10月から最長10年契約が5年契約に短縮されたため、更新の機会が増えました。火災保険は補償範囲・地震保険の有無・建物構造で保険料が大きく変わります。 インズウェブ なら主要保険会社の火災保険を一括比較して、保険料と補償範囲のバランスを確認できます。入居前の見直し・更新前の比較に有効です。
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💬 よくある質問
- Q. 注文住宅の総費用はいくらかかりますか?
- A. 土地代・建築費・諸費用を合わせた総額は、全国平均で4,000万〜5,000万円程度です。ただし土地のエリアや建物の仕様により大きく変動します。本記事で「3つの箱」に分けて解説しています。
- Q. 坪単価には何が含まれますか?
- A. 坪単価の定義は会社により異なります。本体工事のみの場合もあれば、付帯工事(給排水・電気等)を含む場合もあります。必ず「坪単価に何が含まれますか?」と確認しましょう。
- Q. 諸費用はどのくらい見積もるべきですか?
- A. 建築費の12〜15%程度が目安です。登記費用・ローン手数料・火災保険・引っ越し費用など、細かい項目が積み上がります。我が家の場合、諸費用だけで約170万円計上されていました。
- Q. つなぎ融資とは何ですか?
- A. 注文住宅では建物完成前に着手金・中間金の支払いが発生しますが、住宅ローンは完成後に実行されるため、その間をつなぐ短期融資が「つなぎ融資」です。別途金利がかかる点に注意が必要です。
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→ 第6話後編:FP面談レポート(後編)——70代まで借りられる、その言葉の重さ
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