👩 妻のひとこと
前回は、決めるのが遅くて土地を失いました。だから今回は、早く決めます。——そう思って夫が送った三つの質問に、担当者から返事が来ました。読み終えて、まず思ったのは、思っていたより前向きだ、ということでした。「現時点で、この土地をやめた方がよいとは思っていません」。そう書いてありました。
📖 前回までのあらすじ
前話で、値下がりしていた80坪の土地を、夫婦で見に行きました。敷地の隣には、二段の古い擁壁。水抜き穴はありません。がけ条例では、擁壁の高さの二倍を離して建てる必要があります。その高さも測れず、離した残りに希望する家が建つのかも、自分たちでは分かりませんでした。夫が三つの質問を書き出して、担当者にLINEを送りました。敷地の奥が高いが排水は大丈夫か。二倍離して希望の家が建つ広さが残るか。二段の宅地で造成費はかかるか。そのうえで、この土地で検討を進めてよいか。その返事から書きます。
返事は、「やめた方がよいとは思わない」だった
担当者からの返事は、長いものでした。安全性は慎重に確かめる必要があるけれど、意匠のうえでは良い敷地だ、と。そのうえで、三つの質問に、ひとつずつ答えが返ってきました。
造成費のこと。敷地に余裕があるので、斜面を擁壁で固めてしまわず、そのまま活かす計画にすれば、費用は抑えられる。そのほうが自然でもある、と。
排水のこと。東側の庭も、西と南がさらに低い。敷地も広い。だから水は流れていくので、そこまで気にしなくてよい、と。水の通り道は、建物でせき止めないよう、地中で南側へ逃がして迂回させる。そうすれば、敷地の緑にも、上にある神社の緑にも良い、という話でした。
神社側の擁壁のこと。隣の新築は、高さ二メートルほどの土留めを作っている。だから神社の擁壁は、いつか崩れることを前提に設計する。今回の土地でも土留めを作る手はあるけれど、できるだけ手を加えず、自然なかたちで残したい。斜面をそのまま活かす、さきほどの造成の話と同じ考え方でした。
最後に、敷地と建物の大きさを、ざっくり検討した結果がありました。神社との高低差が、高いところで五メートル、低いところで二メートル。がけ条例で高さの二倍を離しても、敷地が二六九平米あるので、建物の安全は担保できないことはなさそうだ、と。詳しくは、高低差を測ってから。
「現時点で、この土地をやめた方がよいとは思っていません」。そう、結ばれていました。
その日の夜、測りに行ってくれた
私は、お礼を返しました。この土地は、実は前から見かけていたこと。そのころはもっと高くて、使えない部分も広そうで、迷っているうちに、値段が下がってきたこと。景観は良さそうだけれど、そのぶん、安全のところが気になる。もう一度確かめてほしい、と書きました。
返事は、その日の夜に来ました。今日、敷地を見て、簡単に高低差も測ってきました、と。図がついていました。がけ条例の離隔は取れそうだ、と。厳密には測量会社を入れて計る必要はあるけれど、敷地が広いので、建物の配置を調整すれば大丈夫だろう、と。
前の土地のときも、この人は、頼んでもいないのにプランを描いて送ってくれた人でした。今度も、私たちがお願いするより先に、その日のうちに現地へ足を運んで、高低差を測り、夜のうちに、図と資料まで添えて送ってくれました。ここまでしてくれる人に、これまで会ったことがありません。本当に、ありがたいと思いました。
予算の話
一つ、はっきりしたことがありました。お金です。
前の狭い土地では、深い基礎や、工事のための駐車場に、余分な費用がかかる予定でした。広いこの土地では、それが要りません。代わりに、敷地が広い分、外構にお金がかかります。差し引きすると、土地の値段の差が、そのまま総額に乗る。担当者は、そう見積もっていました。
予算より、少し高い。それは、はっきりしました。
モデルハウスで、打合せをした
後日、モデルハウスで打合せをしました。概算の資金計画が、もう用意されていました。ラフプランも、描かれていました。
正直に書くと、プランそのものに、強く惹かれたわけではありません。ただ、私が一番知りたかったのは、そこではありませんでした。この土地の中に、希望するサイズの家が、ちゃんと建つのか。それが、確認できました。
実際に測量してみたら、やっぱり建てられませんでした——そういうことは、ないですか。そう聞きました。安全目に見ているので、問題ありません。そういう答えでした。
今度は、揃ったらすぐ動く
前回、私たちは土地を失いました。駐車と駐輪が本当に納まるのか、それが分かるまでは、動けなかった。分かった時には、二日前に、別の申込みが入っていました。負けたのは、順番でした。
今回も、判断できないことばかりでした。でも、その一つずつに、担当者が答えをくれました。土地に希望の家が建つことも、確認できました。だとしたら、あとは、早い方がいい。揃ったなら、すぐ動く。購入する方向で進めます——担当者に、そう伝えました。
それでも、値段は少し詰めたい
ただ、予算より少し高い。だから、少しだけ低い値段で、購入申込みをしようと考えています。
前回のことは、頭にあります。神社前の土地に私たちが申し込んだときには、もう、話は決まっていました。二日前に別の申込みが入っていて、手付金も振り込まれたあとでした。負けたのは、値段ではありません。私たちより先に、順番が進んでいた。それだけのことでした。
だから、今回は迷いません。値段は少し詰めたい。それでも、決めると決めた以上、前のように後れは取らない。この土地は、総額も張って、擁壁と段差もあります。前の土地のように二日で決まる形ではないと思います。それでも、一年動かなかった土地が、決めた週に売れるのを、私たちは見たばかりです。だから、早く動きます。
📝 まとめ
- 夫が送った三つの質問に、担当者から「現時点でこの土地をやめた方がよいとは思わない」と返事。造成は斜面を活かして擁壁を作らない/神社側の古い擁壁は崩れる前提で設計する/土留めもできるだけ作らず自然なかたちで残す、という方針だった
- 神社との高低差は高い所で五メートル・低い所で二メートル。がけ条例で高さの二倍を離しても、二六九平米の敷地なら建物の配置調整で安全は担保できそう。担当者はその日の夜に現地で高低差を測り、図と資料を送ってきた
- 予算は、狭小地向けの深基礎・現場駐車場が要らなくなる分、外構費が増え、差し引き土地の値段の差がそのまま総額に乗る。予算より少し高い
- モデルハウスの打合せで概算資金計画とラフプランを確認。プランに強く惹かれたわけではないが、希望サイズの家が土地に建つと確認できた。測量後に建てられないリスクも「安全目に見ているので問題ない」との回答
- 前回は決断が遅れ「順番」で土地を失った反省から、今回は揃ったらすぐ動くと決め、購入の方向で進めると伝えた
- ただし予算より少し高いため、少し低い値段で購入申込みを考えている——前回、土地を失ったのと同じ動きでもある
このブログについて
都市部で土地から注文住宅を建てる40代・4人家族の記録ブログです。賃貸10年の限界を感じた夫婦が、FP面談・住宅ローン事前審査・土地探しのリアルをそのまま書いています。同じように家づくりを考えている方のヒントになれば嬉しいです。
💬 よくある質問
- Q. 擁壁のある土地は、やめた方がよいのでしょうか?
- A. 擁壁があること自体が、そのまま「やめた方がよい」に直結するわけではありません。大切なのは、その擁壁の状態と、建築のルールとの兼ね合いです。がけ条例では、がけや擁壁の高さに応じて、建物との距離が求められます。その距離を取ったうえで希望する家が建つ広さが残るか、擁壁が崩れることを前提に設計できるか、造成にどれだけ費用がかかるかを、工務店や設計者に確認したうえで判断することになります。敷地に余裕があれば、成り立つ場合もあります。
- Q. 斜面を擁壁で固めずに、そのまま家を建てることはできるのですか?
- A. 敷地に余裕がある場合、斜面を大きく造成せず、高低差を活かして建てる計画が取れることがあります。擁壁や土留めを新しく作らない分、造成費を抑えられ、地中の水の流れをせき止めにくいという利点もあります。ただし成り立つかどうかは、高低差、地盤、排水の経路、建てたい家の大きさによって変わります。現地を見てもらったうえでの判断が必要です。
- Q. 予算より高い土地は、値下げ交渉をしてもよいのでしょうか?
- A. 交渉そのものは、珍しいことではありません。ただ、土地は申し込んだ順番で決まることがあり、迷っている間に、別の買い手が先に進んでいることもあります。私たちは以前、申し込んだときには、その二日前に入っていた別の申込みで、すでに話が決まっていました。値段を詰められる余地と、ほかに買い手がつく速さ。その両方を見て、どこまで詰めるかを決めることになります。急ぐべきか、粘るべきかは、その土地の条件によって変わります。
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