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44坪は売れていた、お値打ちの正体は土器だった

2026 6/12
土地探し
2026年5月30日2026年6月12日
44坪は売れていた、お値打ちの正体は土器だった
⏱ 読了目安:約15分
いえづくりブログ — 家づくり日記 連載 | 📚 連載一覧
第24話 / 連載中
家づくり日記

⏱ 読了目安:約14分

👩 妻のひとこと

50坪に「購入申込あり」がついた朝、私は休日対応センターに電話していました。「詳細は分かりません」と言われて、夫に報告すると、夫の口から3つの理由が並びました。両手仲介、予算超過、競って買いたくない。理屈は通っている。それでも、夫はそのあと、自分から第1候補のB社に電話をかけました。担当者は休みでした。同じ日、私はもう一本、44坪の業者にも電話を入れました。返ってきた答えは「44坪は売れました」と「お値打ちの正体は土器でした」。動いて分かることがある一日でした。

本記事にはアフィリエイト広告(PR)が含まれます。

📝 今回の用語メモ
土器(埋蔵文化財):土地から出土すると文化財保護法にもとづく調査が必要になり、着工が遅れたり売買が止まったりすることがあります。
📐 情報
シリーズ第24話|STEP5(土地探し)の体験レポートです ← 第23話:ランディから消えた44坪、戻ってきた土地は形が変わっていた

📖 前回までのあらすじ

この連載は、賃貸10年の限界から始まった、4人家族の土地探し記録です。4ヶ月近く動き続けるなかで、わが家にはいま4つの土地候補があります。

第1候補は、2社目の不動産業者(B社)から「公園前・駅徒歩数分」とだけ聞いている物件(詳細は伏せられたまま連絡待ち)。売主の事情で「もう少しお待ちください」と言われたまま、2〜3週間が経過しています。

他の候補は、神社前の北向き33坪(駅徒歩10分・学区が変わる)、自宅から少し離れた人気エリアの北向き50坪(わが家の予算より800万円超、最近200万円値下がり)、そして、前回(第23話)の中心だった北東角地の44坪。

前回、ランディから北東44坪の物件ページが消えました。代わりに、東西の分筆ラインが書き直されて、西側40坪が新出品されていました。私は業者にメールで問い合わせを送りましたが、返信は来ていません。今回は、そこから数日後の、ある一日の話です。

目次

朝、50坪に「購入申込あり」がついていた

前回触れた、人気エリアの50坪——わが家の予算より800万円超だけれど、つい先日200万円値下がっていた土地。その翌日のことです。

ランディを開いて、いつもの巡回のついでに、その50坪のページをのぞいてみました。すると、表示が変わっていました。

「購入申込あり」

値下がりに反応していたのは、わが家だけではなかったということです。当然と言えば当然ですが、画面の前で「あっ」と声が出ました。

休日対応センターの壁

私はすぐに、ランディに掲載されていた電話番号にかけてみました。すると、電話は休日対応センターに転送されました。その日が、その不動産業者の定休日だったと知ったのは、転送されてからのことです。

電話に出たのは、ご担当者ではなく、休日対応センターの方でした。

業者
担当店舗ではないため、個別の物件の詳細はお答えできかねます。

「購入申込あり」が、本当に進んでいる話なのか、まだ仮押さえの段階なのか——私には判断できませんでした。そこを聞きたかっただけでしたが、休日対応センターでは、その答えはもらえません。

電話を切ってから、夫にショートメッセージを送りました。「50坪、購入申込ありになってる」

夫の3つの理由——予算超過、両手仲介、競って買いたくない

数分後、夫から電話がかかってきました。

夫
あの土地はわが家の予算を超えている。予算的に厳しいので、買うとしても、自分たちで見つけた土地として、知り合いの不動産業者に買主側の仲介を頼みたい。消費者が直接、掲載元の業者に問い合わせると、両手仲介になって、上限の仲介手数料になると思う。そもそも、誰かの買付が入ったあとで、競って買いたいと申し出るようなことは、したくない。

3つ並びました。予算超過、両手仲介、競って買いたくない。

ひとつひとつ、たしかに筋が通っています。経済合理性、業界構造の理解、そして、夫なりの筋目。私は「動いて状況を確認したい」と思って電話したのに、夫の口からは「動かない理由」が3つ出てきました。

「せっかく動いたのに」と、心の中で思いました。

ただ、夫の言葉自体には反論する余地がありませんでした。予算を超えていること、両手仲介の仕組み、買付の入った土地に競って割り込むのが筋として違うこと——どれも頭では理解できます。それでも、「せっかく動いたのに」という気持ちは、頭の納得とは別のところに残るものです。

💡 お役立ち情報
🏠 両手仲介と片手仲介——買主の仲介手数料はどう変わる?

不動産業者が物件を仲介するとき、売主側だけから手数料をもらう「片手仲介」と、売主・買主の両方から手数料を取る「両手仲介」があります。買主が直接、売主側の業者に問い合わせると、業者にとっては両手仲介の機会になります。両手仲介の場合、買主側からも上限の仲介手数料(売買価格400万円超なら売買価格×3%+6万円+消費税)を取れる構造のため、手数料の値引き交渉の余地は狭くなりやすい傾向があります。一方、買主だけの仲介を別の業者(片手仲介)に依頼すると、その業者は買主の利益代表として動く関係になりやすく、手数料を含めた条件交渉の余地が広がるケースもあります。知り合いの不動産業者がいる場合、その業者経由で買主側仲介を依頼するという選択肢もあります。

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夫も、自分から動いた——B社に電話をかけた

「だから動かない」で話は終わると思っていました。ところが、電話を切ったあと、夫からショートメッセージが来ました。

夫
B社(第1候補の業者)に電話してみる。

数分後、続報がありました。

夫
担当者、休みだった。メールを送っておく。

人気エリアの50坪については「動かない理由」を3つ並べたあと、第1候補のB社にはすぐ電話を入れる——動かない場面と動く場面を、夫は自分の物差しで切り分けています。第20話で夜に植物の種をズボンにつけて帰ってきた人、第21話で休日にドライブ内見を組んでくれた人——形を変えながら、夫はずっと家のことを考え続けてくれています。

担当者が休みで、夫の電話はその日のうちには通じませんでした。それでも、夫が自分から電話をかけ、そのあとメールまで送ってくれたという事実が、ショートメッセージで私のところにちゃんと届きました。

業者には、業者の休みの日がある

気づいたことが、もうひとつあります。

私が朝に電話した50坪の業者は、会社自体の定休日でした。電話が休日対応センターに転送されたのは、そのためです。一方、夫がそのあとに電話した第1候補のB社は、会社は営業していましたが、担当者個人が休みでした。「定休日」と「担当者の不在」は、性質の違う休みです。

性質は違うのですが、こちらにとっては、どちらも結果として「届かない日」になりました。不動産業界の定休日は水曜が多いとも聞きます。物件売買は土日に動きやすく、平日に休みを取るリズムなのかもしれません。こちらが動きたい瞬間と、向こうが応えられる日は、必ずしも一致しません。それも、土地探しの時間の流れの一部です。

44坪の業者へ、もう一本

その日のうちに、私はもう一本、電話を入れました。

第23話で「西側40坪が新出品されている」のを見つけたあと、その業者にはメールで問い合わせを送っていました。返信は、来ていませんでした。

メールが返ってこないなら、電話してみる。これは、私のいつものやり方です。担当者は不在で、折返しの連絡となりました。数時間後、こちらの携帯が鳴りました。

業者
先日お問い合わせいただいた、東側44坪のお土地ですが、売却となりました。

——がーん。

受話器の向こうの声を聞きながら、第23話の「消えた」と思った朝のことを思い出していました。あれは想像ではなく、本当に売れていた——ここで、確定しました。「消えた」と「売れた」が、ようやくひとつの線で結ばれた瞬間でした。

「よく見ていますね」——分筆ラインの書き直し

その後、業者は西側40坪を案内してくれました。

気になっていたことを、聞いてみました。もともと44坪/33坪だった分筆が、いま37坪/40坪に書き直されている。これは、東側に決まった買主の方の予算に合わせて、東側を縮めて、その分を西側に回したからではないか——そう想像していたことを、業者にぶつけてみました。

妻
予算に合わせて、分筆の範囲を変えたんですか?
業者
よく見ていますね。そうです。

業者の声に、軽い驚きが含まれていた気がしました。ランディの画面を見比べただけのことなので、業者からすれば「お客さんがそこまで見ているとは思わなかった」のかもしれません。

東側に買主が決まり、その方の予算に合わせて東側を37坪に縮めた。余った7坪が西側に回り、西側は33坪から40坪に拡張されて、改めて売り出しに出された——そういう順番だったのだと、ここで確定しました。

お値打ちの正体は、土器だった

この土地は、東側も西側も含めて、周囲の物件と比べて全体的に少しお値打ちでした。「この土地、ちょっとお値打ちな気がします」と私が伝えると、業者は声のトーンを少しだけ下げて、こう言いました。

業者
実は、あの土地から土器が出てきまして。文化財保護法の調査が終わらないと、建物が建てられないんです。それで、少しお値打ちにしてあります。あのエリアは、土器が出ることがあるので、気をつけられたほうがいいかもしれません。

ランディの物件詳細に書いてあった「文化財保護法による規制あり」——あの一行の本当の意味が、ここで分かりました。

「規制あり」の文字は、最初から目に入っていました。でも、その表記が指している中身は、想像よりも具体的でした。書類の上に「規制」と書かれているだけの話ではなく、実際に土から土器が出てきて、調査が終わるまで家を建てられない——だから、価格が控えめになっていた。文字と現実が、ここでようやく結びつきました。

💡 お役立ち情報
🏺 土地から土器が出てきたら——埋蔵文化財包蔵地のこと

文化財保護法では、地下に文化財(遺跡・土器・古墳など)が埋蔵されている可能性のある土地を「周知の埋蔵文化財包蔵地」と呼びます。住宅を建てる場合、土地によっては事前の試掘調査や本格調査が必要になり、その期間中は工事に着手できません。調査費用は土地の状況や自治体によって扱いが異なり、住宅用途では自治体側で負担するケースもあるとされています(自治体ごとに差があるため要確認)。土地購入前に、自治体の文化財担当窓口で「埋蔵文化財包蔵地に該当するか」「該当する場合の手続きと所要期間」を確認しておくと、契約後に工事が止まるリスクを避けられます。物件詳細欄の「文化財保護法による規制あり」は、こうした調査が必要なケースを指していることがあります。

角地ではないので、西側は見送り

土器の話を聞いてもうひとつ思い出したのは、西側40坪が角地ではない、ということでした。

西側40坪は、北側に道路があるだけの、北向きの土地です。一方、東側44坪は北東の角地で、空が2方向に開けていた——あの開放感を、私たちは前回の見学で気に入っていました。西側にはそれがありません。

妻
角地ではないので、こちらは少し消極的なんです。

そう、業者に伝えました。角地ではないこと、そして、土器の調査が終わるまで着工できないこと——このふたつが重なって、西側40坪は、わが家の判断軸では「次の候補」にはなりませんでした。

電話を切ったあと、私の中で何かが、すうっと落ち着きました。「動いて、分かったから」だと思います。動かないまま想像で済ませていたら、「あの44坪は本当に売れたのか」「お値打ちの理由は何だったのか」「分筆はどうなったのか」と、ずっと頭の中をぐるぐる回っていたはずです。

第1候補からの返信は、まだ来ない

50坪の業者からは、その後の続報はありません。「購入申込あり」は「購入申込あり」のまま、ランディに表示されています。誰かが進めている取引が、わが家には手出しのできない世界で動いている——そういう状態のまま、画面の上で止まっています。

夫がB社に送ったメールの返信は、まだ届いていません。夫は「メールは送っておいたから」とだけ言いました。あの「送っておいた」というひと言の中に、夫の「待とう」と「焦り」の両方がたぶん入っています。

44坪の話は、これで閉じました。神社前の33坪は、まだ残っています。第1候補のB社の物件は、まだ売り出されていません。

動いた1日が終わって、夜になりました。土地探しが進んだのか、止まったのか、よく分かりません。それでも、想像のまま頭の中をぐるぐる回らせるよりは、電話して答えを聞けたぶん、私の中の落ち着きは、ほんのすこし戻っていました。

📝 まとめ

  • 200万円下がった翌日、人気エリアの50坪に「購入申込あり」がついた朝。妻が電話するも、業者の定休日で休日対応センターに転送 → 詳細回答は得られず
  • 夫の3つの理由——予算超過、両手仲介、競って買いたくない。理屈は通っているが「せっかく動いたのに」の感覚は残る
  • 夫は夫の物差しで動いている。50坪については動かない判断、第1候補のB社にはすぐ電話・メール。形を変えながらずっと家のことを考え続けてくれている
  • 50坪の業者は会社の定休日、B社は担当者個人の休み——性質は違うが、こちらが動きたい瞬間と業者が応えられる日は必ずしも一致しない
  • 同じ日、妻は44坪の業者にも電話。折返しの連絡で「東側44坪は売却済み」と判明。第23話の「消えた」が「売れた」に変わった瞬間
  • 「予算に合わせて分筆を変えたんですか?」と聞くと、業者は「よく見ていますね」と認めた。東を37坪に縮めて余った7坪が西に回った構造
  • お値打ちの正体は土器——文化財保護法の調査が終わらないと建物が建てられない。「文化財保護法による規制あり」の本当の意味
  • 西側40坪は角地ではないため、わが家は消極的。土器調査で着工時期が見えないことと併せて、次の候補にはならず
  • 50坪の続報はなし、B社からのメール返信もまだ。神社前33坪は残存、B社の第1候補は未売出
  • 動いて答えを聞けたぶん、想像で頭をぐるぐる回らせる時間は減る——停滞期の中の小さな前進

このブログについて

都市部で土地から注文住宅を建てる40代・4人家族の記録ブログです。賃貸10年の限界を感じた夫婦が、FP面談・住宅ローン事前審査・土地探しのリアルをそのまま書いています。同じように家づくりを考えている方のヒントになれば嬉しいです。

💬 よくある質問

Q. 物件に「購入申込あり」がついていたら、もう諦めるしかない?
A. 必ずしも諦めなくて済むケースもあります。「購入申込」は購入を希望する意思表示であり、まだ売買契約締結前の段階です。先方の融資審査の結果次第や、条件交渉が折り合わずに白紙に戻ることもあります。ただし、買付の入った土地に対して上乗せ価格で「割り込み交渉」をするのは、業界の慣習として推奨されない場合があります。買主側の業者に状況を確認し、自分たちの判断軸(予算・優先順位)に合うかどうかで動くのが安全です。
Q. 物件情報の「文化財保護法による規制あり」は、どのくらい注意するべき?
A. 土地が「埋蔵文化財包蔵地」に指定されているか、過去に出土事例があるエリアかを確認するのが起点です。指定されている場合、住宅工事の前に試掘や本格調査が必要で、調査期間中は工事に着手できません。期間は数週間〜数ヶ月、場合によってはそれ以上かかることがあります。費用負担は自治体で扱いが異なるため、購入検討段階で自治体の文化財担当窓口に確認しておくと安心です。
Q. 同じ売主の土地でも、分筆の範囲が変わることはある?
A. あります。広めの一筆を分筆して売り出している場合、片方に買主が決まったタイミングで、その買主の予算や希望面積に合わせて分筆ラインを再調整することがあります。残った区画は、もとの想定とは異なるサイズ・形状で再出品されることになります。気になる物件は、掲載情報だけでなく、業者に直接「分筆の状況」「過去の売り出し履歴」を確認すると、より正確な状況が把握できます。

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✍️ この記事の書き手

いえづくり妻

都市部で土地から注文住宅を建てる40代・4人家族の妻。直感派の私と、調べ始めたら止まらない自営業の夫で、FP相談・土地探し・住宅ローンのリアルを等身大で記録しています。

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いえづくり妻
注文住宅建築中(40代・自営業+パート・4人家族)
はじめまして、いえづくり妻です。都市部で土地から注文住宅を建てようとしている、40代・4人家族の妻です。家族は、何かにハマると底なしに調べ続ける自営業の夫と、感覚で「いいな」を判断する妻、そして子ども2人。賃貸10年の限界を感じたところから、FP相談、住宅ローン事前審査、土地探しと、一つずつ階段を上っています。このブログでは、予算の綱引き、不動産業者4社との面談、見学会で感じたことなど、試行錯誤をそのまま記録しています。同じように「土地から家を建てる」を検討している方のヒントになれば嬉しいです。
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