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「保険を売られるんじゃないか」と正直、思っていました。工務店からFPを紹介してもらったとき、夫も私も少し警戒していた。でも面談が始まってすぐ、最初に聞かれたのは年収ではなく「年に何回くらい旅行したいですか?」でした。——予想と全然違う切り口に、夫婦そろって少し拍子抜けしながら、気づいたら2時間が過ぎていた日の記録です。
前回までの見学会でイメージが固まってきた頃、工務店の紹介で初めてファイナンシャルプランナーの面談を受けました。
- 工務店に紹介されたFPって中立なの?疑いながら行ったら、FP自身がその工務店で建てていなかった
- FP面談で聞かれたのは年収だけじゃない——旅行・子どもの進学・何歳まで働くか、まで聞かれた理由
- 40代・自営業で住宅ローンを組むと「最長70代後半まで返済」——FPに告げられた現実
- 「ご両親に相談しましたか?」の質問で気づいた、親とお金の話をしたことがないという事実
STEP3(FP相談)の体験レポートです ← 平屋の完成見学会レポート
前回のあらすじ
平屋の完成見学会でピットダウンリビングや木製サッシに出会い、「お金をかけるところと締めるところ」という設計思想に触れた今回は、いよいよお金の話——FP面談に臨みます。
帰り道、夫が助手席でぽつりと言いました。「思っていたのと全然ちがったな」と。
同じことを思っていました。お金の計算をしてもらいに来たはずが、気づいたら自分たちの人生の話をしていた。それが2時間でした。
行く前、「工務店に紹介してもらったFPって、信用できるのかな」という疑念がありました。話だけは聞いてみよう、とふたりで半信半疑で向かったのですが——結果から言えば、行ってよかった、の一言に尽きます。ただ、その「よかった」の中身が、想像とはずいぶんちがっていました。
👫 登場人物: 直感派の妻と、調べ始めたら止まらない自営業40代の夫。都市部で土地から注文住宅を建てる4人家族の記録です。連載のあらましは 第1話 からどうぞ。
面談の概要——無料で2時間、工務店の打ち合わせ室で
📌 これからFP相談を検討中の方へ
初回FP相談で何を聞かれ、何を持っていけばいいか——「年収」「旅行」「老後」まで2時間でどう整理されるか、まとめ記事に持ち物リスト付きで書いています。
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場所は、工務店の打ち合わせ室。子どもたちは留守番にして、夫婦2人で向かいました。お金の話なので子どもを連れていくのは難しかったし、夫婦でしっかり向き合う時間にしたかったということもあります。まず場の雰囲気からお伝えすると、こんな感じでした。
| 費用 | 無料 |
|---|---|
| 場所 | 工務店の打ち合わせ室 |
| 時間 | 約2時間 |
| 参加者 | 夫婦2人(子どもは留守番) |
| きっかけ | 工務店の担当者に紹介してもらった |
最初の疑念——「工務店の紹介」という引っかかり
行く前から、ひとつ気になっていたことがありました。このFPは、工務店が紹介してくれた方です。
ということは、工務店に都合のいい予算感を言われるんじゃないか。「もっと借りられますよ」と背中を押す方向に話が進むんじゃないか——。意地悪な読み方だとは思いつつ、頭の片隅にそういう疑念がありました。
面談が始まると、FPの方は工務店のことを褒めていました。「素材へのこだわりがある」「アフターも丁寧」と。それはそうなんだろうけれど、本心から言っているのか、取引先だから言っているのか、私には判断できませんでした。
そのとき思い切って聞いてみたのが、「FPさん自身は、最近家を建てたとおっしゃっていましたが、この工務店で建てられたんですか?」という質問でした。夫が聞いたんです。
答えは、「違います」でした。
それを聞いて、どう受け取ればいいのか、一瞬迷いました。自分では選ばなかった工務店を褒めているということでもあります。紹介者への義理なのか、本当にそう思っているのか、やっぱり判断はできない。でも、正直に「違います」と答えてくれたことで、なんとなくこの人は聞かれたことには素直に答えてくれる人だという感触が生まれました。夫も同じ気持ちだったようで、その後は少し構えずに話が聞けるようになりました。
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行く前は「工務店の紹介だから借りやすい予算を提示されるんじゃないか」と身構えていました。でも実際は、そういう雰囲気はありませんでした。気になることはその場で直接聞いてみる——「この工務店で建てましたか?」と聞いたら正直に「違います」と答えてもらえて、それだけで気持ちが楽になりました。迷っている方がいれば、まず行ってみることをおすすめします。
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聞かれたのは、年収や資産だけじゃなかった
「お金の面談」だから、年収とか貯金の話をするんだろう——漠然とそう思っていました。もちろんその話もありましたが、最初に聞かれたことが予想外でした。
「年に何回くらい旅行したいですか」
え、と思いました。家を建てる相談に来たのに、旅行の話? 戸惑っている私の横で、夫はすぐに「年1回くらいですかね」と答えていました。この人はなぜそんなにスムーズなんだろう。
その後も、住宅ローンとは直接関係なさそうな質問が続きました。 毎月の光熱費や食費、子どもたちの進路(大学進学を考えているか)、定年後のこと、老後の生活費の見込み——。支出の全体像を描くように、質問が積み重なっていきました。
支出の話と並行して、資産の「中身」も確認されました。預金の残高、投資信託・NISA・iDeCoそれぞれの現在の額、そして自営業の我が家では小規模企業共済と国民年金基金の残高まで。「全部いま、だいたいいくらありますか」——思っていた以上に踏み込んだ確認でした。
「何歳まで働く予定ですか」という質問もありました。夫は「70歳まで」と即答しました。会社員なら定年がある程度決まっていますが、自営業者は自分で決めるしかない。その一言が、のちの返済計画に大きく影響することになります。
今後の年収の見通しについては、夫が「先の見通せない時代なので、今後5年程度は微減で推移し、その後さらに下がることを前提にしてほしい」と伝えました。私は、子どもたちがもう少し大きくなれば正社員で働く予定があることを添えました。確定した話ではないけれど、「収入が増える可能性のある変数」として計算に入れてもらいました。
「なんでそんなことまで?」と最初は思っていた質問の数々が、話が進むにつれて腑に落ちてきました。住宅ローンだけを切り取って「借りられる額」を計算するのではなく、これからの人生で何にお金がかかるかをまず全部並べた上で、家にいくらかけられるかを逆算する——そういう考え方をするFPでした。旅行の回数も、子どもの進路も、老後の生活費も、全部がそのための材料だったのです。「家づくり」という一点から見るのではなく、「人生全体」のどこに位置づけるか、という視点で整理してもらえた2時間でした。
FP面談で夫が「漆喰と無垢の床がいい」と即答した瞬間
FPの方が、唐突に聞きました。
どんな家を建てたいか、少し教えてもらえますか。
お金の話をしていたはずなのに、急に家のイメージの話になって少し戸惑いました。ライフプランを考えるために、家のイメージも把握したいとのことでした。夫が間髪入れず答えました。
漆喰の壁と、無垢の床がいいです。
FP相談の場で、素材の話をするとは思っていなかったので、少し驚きました。モデルハウスで漆喰の壁に感動してから、夫の気持ちはもうそこに向かっているんだろうとは思っていましたが、こうして第三者の前でさらりと口にするのを聞いて、ああ、この人はもう舞い上がっているんだなと感じました。悪い意味ではないのですが、少し冷静になってほしいとも思った瞬間でした。私は思わず夫の袖を軽くつまんで引っ張りました。
ん?
いや、なんでもない。(心の声:落ち着いて)
FPの前で「落ち着いて」とは言えなかったんです。
FPは否定も肯定もせず、こう答えました。
そういう家を建てたいと思うなら、しっかりとした予算が必要になりますね。
やわらかい言い方でしたが、裏を返せば「それなりにお金がかかりますよ」ということです。夫はうなずきながらメモを取っていました。私は心の中で——
(心の声)だから言ってるじゃない。
——と思いながら、黙っていました。
夢を語る夫と、現実を見たい私。面談は、この先もずっと続くであろう夫婦の温度差を映し出していました。ここからFPの話は、もっと具体的な数字の世界に入っていきます。
FP面談を受けた方、どんな印象でしたか?「工務店紹介だと中立じゃないので」という不安、うちだけではない気がしています。
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この話のポイント
- FP面談は「家の値段」ではなく「人生のお金から逆算する場」。旅行・教育費・老後まで含めて考える
- 「借りられる額」と「返し続けられる額」はまったく違う。70代後半までのローンの重さを受け取る
- 親の援助を受けるかどうかより「家族でお金の話ができているか」が家づくりの前提になる
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次回予告
次回は、FP相談の後半。「70代後半まで借りられますよ」——その言葉を持ち帰って、夫婦でゆっくりほどいた話です。
筆者より一言
年収・老後・旅行まで聞かれたFP相談は、家計の棚卸しをする貴重な時間でした。
いや、なんでもない。 (心の声:落ち着いて)
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💬 よくある質問
- Q. 工務店が紹介するFPは中立的?
- A. 工務店紹介という仕組みは「家づくりを進める前提」で組まれた相談ルートです。我が家も最初は「工務店の紹介」という点に少し引っかかりましたが、面談では年収・資産・教育費・老後の暮らし方まで踏み込んで聞かれ、家計全体を整理する場として機能しました。仕組みを理解した上で受けると、家づくりの初期段階で得るものは多いと感じています。
- Q. FP相談で何を聞かれるの?
- A. 年収・資産・教育費の見通し・老後の暮らし方まで踏み込んで聞かれます。「漆喰と無垢の床がいい」と即答した夫の場面も印象的でした。準備物・ライフプランの中身はFP相談まとめに詳しくまとめています。
- Q. FP相談は無料でも安心して受けていい?
- A. 工務店経由の無料FP相談は、家計の現状把握や予算上限の整理に有用です。我が家も2回相談して家計を整理する材料が得られました。住宅購入を前提としない第三者の視点が欲しい場合は、独立系FPに有料相談する選択肢もあります。ただし独立系であることと、シミュレーションの詳しさや住宅領域の専門性は別軸なので、相談実績や得意分野を確認してから依頼するのが安心です。






