スーモやアットホームで土地を探し始めて、最初に感じたのは「予算と現実のギャップ」でした。
私たちも同じ壁にぶつかりました。画面をスクロールするたびに「高い」「狭い」「遠い」の三拍子。それでも諦められなかったとき、知人から「ランディ」という名前を教えてもらいました。
この記事では、非公開物件も探せる「ランディ」を実際に使ってみた話と、初めて土地を見に行った日の記録をお伝えします。
この記事でわかること
- スーモやアットホームで土地を探してみたら、「安い」と思った土地には建築条件付きなどの理由があった
- 非公開物件も探せる「ランディ」って何?知人に教わって登録してみた流れ
- 建ぺい率40%・40坪の土地を実際に見に行った——歩いてみて初めて「坪数の感覚」がつかめた
- 夫が「あと5坪あればなぁ」とつぶやいた理由——1階に使える面積を計算してみたら
← 【土地探しスタート】不動産仲介業者と初対面——「抜け感がほしい」と伝えたら、夫が専門用語で褒められて浮かれていた話
前回のあらすじ
不動産仲介業者との初回面談で、土地探しの条件・仲介手数料・良い土地の見つけ方を教わりました。いよいよ今回は初めての土地現地見学へ出発します。
夜、スマホの画面を前に夫婦で言い合うのが、習慣になっていました。不動産業者からの物件提案を待ちながら、自分たちでもスーモを開いては、出てきた土地を眺めていました。条件を入れて、価格を見て、「こんなところにも出てるんだ」と言い合って、また閉じる。それが繰り返されていました。
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登場人物:直感派の妻と、調べ始めたら止まらない自営業40代の夫。都市部で土地から注文住宅を建てる4人家族の記録です。連載のあらましは 第1話 からどうぞ。
スーモで土地を探して気づいたこと
ランディや SUUMO で土地を見ても何が決め手かわからない時期に、最初に整理すべき条件のリストは、土地探しまとめ記事で具体的に並べています。
まず率直に言うと、土地の価格が、想像していたよりずっと高かったです。
「地元なら土地代はそれほどかからないだろう」とどこかで思っていました。でも、いざ条件を入れて検索してみると、駅に近くて広さのある土地には、4,000万円、5,000万円といった数字が普通に並んでいます。「建物の費用はまだ別にかかるのに……」と、画面を見ながら言葉が出なくなりました。
さらに困ったのが、坪数のサイズ感がまったくわからないことでした。「40坪」「35坪」と書いてあっても、それが広いのか狭いのか、実感がわきません。そして「何坪あれば自分たちの希望する家が建てられるのか」も、この時点ではまったく見当がついていませんでした。
そしてもう一つ気づいたことがあります。たまに「これはお値打ちかも」と思える価格の土地を見つけても、よく見ると建築条件付きだったり、造成工事が必要で別途費用がかかったり、何かしら理由がありました。「安いな」と思ったら、必ずそれなりの事情がある。画面を眺めながら、少しずつそのことがわかってきました。
「土地を探す」と言いながら、何を基準に選べばいいのかすら、まだわかっていなかった——というのが本当のところでした。
知人から「ランディ」を教わった
妻
「スーモで探すのはもう限界かな」と思い始めたころ、知人がランディを教えてくれた。ちゃんとしたアプリがあるんだ、と少し希望が戻った。
そんなふうにスーモやアットホームを眺めていたある日、知人から連絡が来ました。去年、注文住宅を建てたその人は、我が家の家づくりが始まったと知ってから、ちょくちょく情報を送ってきてくれています。
「土地探してるなら、ランディ使ってみて」と。
📋 ランディ(Landi)とは
注文住宅向けの土地探しに特化した無料スマホアプリです。スーモやアットホームなど複数のポータルサイトを横断で検索できるうえ、一般には公開されていない非公開物件も見られるのが最大の特徴です。ただし非公開物件を見るには、「ランディPRO導入店」(ハウスメーカーや工務店など)に一度出向いてアカウントを紐づける必要があります。費用はかかりません。我が家はハウジングセンターのカウンターで手続きしました。
「非公開物件まで見られる」という点は、素直に魅力的でした。スーモに出ている情報だけが全てではないとしたら、自分たちが見えていない土地があるかもしれない。そう思うと、使ってみたいという気持ちになりました。
ただ、一つ気になることがありました。「登録したら、不動産業者からの営業電話がたくさんかかってくるのでは」という不安です。
個人情報を入力して登録する以上、その後の連絡が怖い。ただでさえ今は工務店、不動産業者、FP……とさまざまな方と関わり始めていて、そこにさらに知らない業者からの電話が増えるのは、正直しんどいな、と思っていました。
意を決して、ランディカウンターへ
妻
カウンターに行く前、「相談したら何か決めさせられそう」という不安があった。でも行ってみたら、拍子抜けするほど普通の会話だった。
しばらく迷っていましたが、「使わないまま時間が経つよりは」と思い切ることにしました。
ランディの登録は、対応しているカウンターに行く必要があります。我が家から行きやすい場所にはなく、少し遠いハウジングセンターまで出かけることになりました。
カウンターに着くと、手続きはあっさりと終わりました。身構えていた分、拍子抜けするくらいすんなりでした。担当の方の印象も穏やかで、「これはいつ来てもよかったな」と思ったくらいです。
そのとき、一つ知らなかったことを教えてもらいました。
我が家が登録したカウンターでは、60日を過ぎると利用できなくなると説明を受けました。継続して使うためには、期限ごとにカウンターに出向いて更新する必要があります。導入店によって期間が異なる場合があるため、登録時に確認しておくと安心です。
「60日を過ぎると使えなくなる」と聞いて、ちょっと驚きました。のんびり構えていたつもりが、急に期限が見えた感じです。プレッシャーというほどではないけれど、この60日という数字が頭の片隅に残りました。ぼんやり眺め続けるだけでは、あっという間に時間が過ぎていく——そういう感覚です。
ランディで見つけた「お値打ち」の土地
登録後、さっそくアプリで土地を検索し始めました。スーモでは見かけなかった物件も出てきて、「やっぱり違うな」という感触はありました。
そんな中で、一つ気になる土地を見つけました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 面積 | 約40坪 |
| 建蔽率 | 40% |
| 価格 | 我が家の予算の下限に近い(比較的お値打ち) |
| エリア | 閑静な高級住宅街・人気エリア |
| 周辺環境 | スーパーが充実。生活利便性は高い |
| 交通 | 駅から徒歩19分。バス停が近く、交通の便は悪くない |
価格が予算の下限に近い、つまり我が家が探している範囲の中では安い方の土地です。しかも、エリアとしては人気の高級住宅街。スーパーも充実していて、生活のしやすさは十分にある。駅まで徒歩19分は少し遠いけれど、バス停が近いなら日常的に困ることはないかもしれない。
「これ、いいんじゃないかな」と思いました。
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実際に土地を見に行った
夫
アプリで地図を見るのと、現地に立つのとでは全然違う。写真と違う、匂いや音や光が、その土地の印象を大きく変えることがある。
夫婦で現地を見に行きました。
敷地に近づいたとき、最初に気づいたのは、ネットで見た建物が壊されている途中だったことでした。重機が入っていて、建物の一部がすでに崩れていました。
(心の声)売れちゃったのかな……?せっかく来たのに、もう誰かが買ったってこと?
少し焦るような、がっかりするような気持ちになりました。すると夫が、いつもと違って落ち着いた声で言いました。
いや、違うかもしれない。売れやすいように壊している可能性もあるよね。古家付きのまま売るより、更地にした方が買い手がつきやすいから。
言われてみれば、たしかにそうかもしれない。以前の記事で不動産業者から「古家付き」という言葉を聞いたとき、「解体費用が別途かかるケースが多い」と教えてもらっていました。売主側がそれを先にやってしまえば、買い手にとっては好条件になる。夫はそこまで考えていたわけです。
「じゃあ、まだ買えるってこと?」と聞くと、「わからないけど、そう焦ることもないんじゃないかな」と。私が一人でばたついていた分、夫がわりと冷静でした。いつも逆のことが多いのに。
結局、その日は現地の様子を確認するだけで終わりました。解体中なのか売れた後なのか、その場ではわかりません。ランディで確認してみると、まだ掲載は続いていました。どうやら解体は「売るための準備」だったようです。
静かな住宅街でした。周りの家が整っていて、道幅も広く、落ち着いた雰囲気があります。「ここに家を建てたら、なんとなく品があるな」と感じるエリアでした。
私はというと、夫が計算をしている横で、土地の周りをゆっくり歩いていました。空は思ったより広く見えました。静かで、車もあまり通らない。「ここに家が建ったら、どんな感じだろう」と想像しようとしたのですが、まだ更地を見て暮らしをイメージする力が自分にはないと気づきました。
私の第一印象は、「いい場所だな」でした。価格が抑えられていて、環境も悪くない。駅まで少し遠いのは気になるけれど、バスもあるし、許容範囲かな、と。
夫も最初は「なかなかいいじゃないか」と言っていました。ただ、しばらくその場に立って周りを見渡しているうちに、夫が何かを考え始めました。
スマホのメモ帳に何かを打ち込んでいる。静かになった、と思っていたら、夫が口を開きました。
「40坪で建蔽率40%ってことは、1階が16坪だよ」と。
夫の計算が教えてくれた現実
16坪。帰ってから調べてみると、だいたい53平方メートルほどです。
夫の言葉が続きます。「1階が16坪だと、LDKと水回りと寝室を全部1階に揃えるのは難しい。じゃあ寝室を2階に上げるとして——それでも今よりLDKが小さくなるかもしれない」と。
少し頭の中で整理してみました。今住んでいる2LDKのリビングより狭くなる可能性がある。10年以上「狭いな」と感じながら過ごしてきた賃貸より、新しく建てる家のリビングが小さくなるかもしれない。
家を建てる理由の一つが「もっと広く、もっと自分たちらしく暮らしたい」だったはずなのに。
「だから、この価格なのかもな」と夫がつぶやきました。好立地なのに価格が抑えられているのは、建蔽率が低いからかもしれない——。なるほど、と思いました。土地の「お値打ち感」には、理由があったわけです。
建蔽率(けんぺいりつ):敷地面積に対して建てられる建築面積の割合。建蔽率40%なら、40坪の土地に建てられる1階の建築面積は最大16坪。容積率(ようせきりつ):敷地面積に対して建てられる延べ面積の割合。容積率80%なら40坪の土地に最大32坪の家が建てられます。同じ面積の土地でもこの2つの数字が違えば建てられる家の大きさは大きく変わります。土地を見るときは必ず確認することをおすすめします。
私は割り切れたけれど、夫は割り切れなかった
同じ土地を見て、夫婦の感じ方は少し違いました。
私の頭にあったのは、子ども達が独立した後のことです。今はにぎやかな4人家族でも、あと数年もすれば子ども達はそれぞれの道に進んでいく。最終的には夫婦2人で暮らす家になる。そう考えると、コンパクトな家でも悪くないんじゃないか、という気持ちがありました。広さよりも、立地の良さや環境の落ち着きを優先するのも一つの考え方かもしれない、と。
でも夫は、そう簡単には割り切れなかったようです。
これだけ住宅の動画を見て、見学に出かけて、素材にこだわり、担当者と話し合ってきた。あれだけ理想を積み上げてきた夫にとって、「今よりリビングが小さくなるかもしれない家」にすんなりうなずくのは、難しかったのだと思います。
夫が悪いわけでも、この土地が悪いわけでもありません。ただ、見ているところが、少し違った。それがわかったこと自体が、この土地を見に来た収穫だったかもしれません。
帰り道——「あと5坪あればなぁ」
帰り道、私が先に口を開きました。「あの土地、いいと思うんだけどな」と。
夫はしばらく黙ってから、「いや、いい土地だとは思うよ」と言いました。「でも——」と続けて出てきたのは、こんな言葉でした。
あと5坪あればなぁ……
建蔽率が50%あればなぁ……
ないものねだり、というやつです。5坪多ければ1階が20坪になる。建蔽率が50%なら16坪が20坪になる。どちらも、今そこにはない条件です。
私は笑ってしまいました。「それが揃ってたら、この値段じゃないよ」と言いながら。
「あと5坪あればなぁ」。現実をそのまま口に出した夫のひと言でした。でも、画面だけでは気づけなかったことを確かめられた。「来てみてよかった」と思いながら、次はどんな土地を見に行くか話しながら帰りました。
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- 安い土地には理由がある。建蔽率・容積率をセットで確認し、実際に建てられる面積を把握する
- ポータルサイトで検索する前に「何坪あれば家が建てられるか」を計算しておくと無駄が減る
- 同じ土地でも夫婦で感じ方は違う。事前に条件を話し合っておくと現地での判断が速くなる
📌 次にやるべきこと:土地探しの条件整理・業者選びの全体像を知りたい方はこちら。
👉 土地探しまとめ|3ヶ月かけて学んだ条件整理と業者選びのコツ
「あと5坪あればなぁ」という帰り道の夫のひと言が、土地探しのリアルを一番よく表していた気がします。
📚 シリーズ別まとめ記事(ピラーページ)
家づくりの全テーマを5つの総合ガイドにまとめています。気になるテーマから読み進めてください。
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💬 よくある質問
- Q. 土地探しアプリ「ランディ」とSUUMOの違いは?
- A. ランディは土地探しに特化した無料スマホアプリで、SUUMOやアットホームなど複数のポータルを横断検索できるのが特徴です。最大の違いは、一般には公開されていない「非公開物件」にもアクセスできる点。利用するには「ランディPRO導入店」(ハウスメーカー・工務店など)に一度出向いてアカウントを紐づける必要があります(60日ごとに更新手続きが必要)。我が家もハウジングセンターのカウンターで登録だけしてもらって、検索はアプリで進めました。
- Q. 安い土地には理由がある?
- A. 旗竿地(接道部分が細長く奥に建物用地がある形状)、北向き、変形地(三角形・台形など)、駅からバス便、高低差・擁壁あり、用途地域で建ぺい率・容積率が低い、道路斜線や北側斜線で建てられる高さに制限が出るなど、価格に反映される要因はさまざまです。坪数だけで判断せず、用途地域・建蔽率・容積率・各種規制も合わせて確認するのが必須です。
- Q. 「あと5坪あれば」と思う土地はどう判断する?
- A. 4人家族の注文住宅の平均延床面積は約33〜38坪(フラット35利用者調査等)と言われますが、必要な広さは家族構成や暮らし方で変わります。土地探しの前に「我が家にとっての最低坪数」を建築士や工務店に相談しておくと、5坪のギャップで悩む時間が減ります。間取りの考え方は間取りチェックリスト98項目に書いています。
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