FP面談2回目(後編)——9000万円でも足りない?予算の現実

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📖 前編のあらすじ

この記事は後編です。前編はこちらからお読みいただけます。

目次

9000万円でも、希望通りの家が建つとは限らない

面談の終盤、ふとそういう感覚が来ました。

NISAを止めて、収入が下がることを前提に、9000万円のローンを70代後半まで返し続ける——。それだけのことをしても、「希望通りの家が建つかどうかはわからない」のです。土地のエリアを妥協するか、建物の仕様を下げるか、あるいはその両方か。9000万円という数字は、上限であって、ゴールではない。その数字の中でも、どこかを諦める選択は続く。そのことが、この日はっきりわかりました。

夫は口を結んで表を見ていました。いつもなら矢継ぎ早に質問が飛ぶのに、この時間は静かでした。それがかえって、この場の空気の重さを表していた気がします。

もっと早く、きちんと考えておけばよかった

帰り道の車の中で、少し沈黙が続いてから、夫が言いました。「もう少し早く、ちゃんと考えておけばよかったな」と。

同じことを思っていました。

40代になるまでの間、「いつかそのうち」と先送りにしてきた問いがあります。一生賃貸で暮らし続けるのか、自分たちの家を持つのか。賃貸暮らしに大きな不満があったわけではなかったけれど、子どもたちの成長に伴って「そろそろ決めなければ」という気持ちが高まり、ようやく動き始めた。

でも、もし10年前に同じ問いと向き合っていたら——同じ期間のローンを組んでも、完済するのは10年若いときだった。NISAを続けながらローンを返せていたかもしれない。金利の選択肢も、また違っていたかもしれない。まさかこんなにインフレが進むとも思っていなかった。言っても仕方のないことですが。

先送りにしていたことに明確な理由があったわけでもなく、ただ「まだ大丈夫」と思っていただけでした。でも、今この記事を読んでいる方が、我が家より少し早くこういう数字と向き合えたなら、それだけでこの記録に意味があるかもしれない、と思っています。

後悔を引きずるつもりはありません。決めたのは今、動いているのも今。10年前の自分たちには、FPの話を聞く準備も、具体的な数字と向き合う覚悟も、たぶんなかった。遅かったかもしれないけれど、今日ここで話を聞いたことは、間違いなく正しい一歩だったと思っています。

霧は晴れなかった。でも、上限は分かった

FPの面談を2回終えて、「すっきりした」とは正直言えません。

9000万円という数字は出ました。でもその数字の中で何を優先して、何を諦めるかは、まだ何も決まっていない。金利をどう選ぶかも、NISAをどうするかも、両親とどう話し合うかも、土地のエリアをどこまで広げるかも——全部、これからの話です。

決断するのも、責任を取るのも、最終的には自分たちです。FPはその前提を崩さずに、ずっと話してくれました。何かを強く勧めるわけでも、不安を煽るわけでもなく、数字を丁寧に並べて、あとは私たちに委ねてくれた。それは、誠実な向き合い方だったと思います。

手探りのまま、ということには変わりない。でも、「上限の目安」という地図の端っこだけは、手に入れた。そういう2回目の面談でした。

帰ってから夫が「マンションという選択肢もありかもね」とぽつりと言いました。たしかに、と思いながらも、田舎の戸建てで育った夫婦には「マンションで暮らす自分たち」がうまく想像できない。「ありかも」は、本音というより現実の重さを吐き出したひと言だったと思います。

9,000万円という数字を受け取った夜は、静かに過ぎていきました。でも翌朝、夫がテーブルにメモを広げていました。「土地のエリアを少し広げたらどうなるか、計算してみた」と言いながら。メモには駅からの距離別に土地の相場が書き出されていました。「いつの間にこんなの作ったの」と聞いたら、「目が覚めたら気になって」と。時計を見ると朝6時でした。「……先にコーヒーでも淹れたら?」と言ったら、「あ、そうだね」と初めて顔を上げました。重さを受け取ったその夜のうちに、もう次の一手を考え始めていた。この人は、そういう人なんです。

この面談で得たいちばんの収穫は、「数字」ではなく「判断の軸」だったと今は思っています。上限がわかったから、次は「何を優先するか」を決められる。霧の中でも、一歩分だけ地面が見えた——そういう2回目の面談でした。

まとめ

  • FPが持参した2パターンの表は、総予算9000万円と7000万円。月返済額は9000万円プランで30万円台、7000万円プランで20万円台、差は月約7万円
  • 希望のエリア・仕様で進めるには、7000万円では難しいと言われた
  • シミュレーションの前提は「収入が少しずつ下がり、一定の年齢以降は無収入」。来年の売り上げも読めない自営業にとって、70代後半までのローンへの怖さは残った
  • 住宅ローンの返済が始まると、NISAの積み立ては数十年間ずっとできなくなる。夫婦でお金の勉強をしながら始めた積み立てを止めることの重さを、改めて感じた
  • 金利2%の前提(固定か変動か)の話は複雑で、まだ答えが出ていない
  • もっと早く向き合っておけばよかった、という後悔はある。でも、今動いていることに意味があると思っている
  • 霧は晴れなかったが、「9000万円が上限の目安」という地図の端っこは手に入れた

📌 同じ状況の方へ:予算の数字は「借りられる額」ではなく「返せる額」で考えることが大切です。NISAなど資産運用との両立も含めて、長期のシミュレーションを出してもらうと、数字の怖さが少し和らぎます。わからないことはFPに正直に聞いて、判断の材料を増やしていってください。

📌 同じ状況の方へ:住宅ローンのシミュレーションは「返済額」だけでなく、「その間に何を諦めるか」もセットで確認することをおすすめします。NISAや保険など毎月の積み立てへの影響が見えると、数字がより自分ごとになります。

次回は、工務店が紹介してくれた不動産仲介業者との初回面談について書く予定です。土地探しの入口で、どんなことを聞かれ、どんな話をしたのか——初めて「プロと一緒に土地を探す」という実感が生まれた日のことをお伝えします。

予算のシミュレーション、想像より大きい数字が出て驚いた経験、ありませんか?紙の上の数字なのに、妙に重く感じるんですよね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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